運転は「慣れたときが一番危ない」と言われます。
自動車教習所で教官から必ず言われる言葉です。
口を酸っぱくして言われ、しっかり頭に叩き込まれます。
優しい顔をしている教官であっても、このときばかりは真剣な顔つきで諭すのです。
運転免許を取得したばかりのころは、初心者なのでしっかり注意を払います。
まだまだ頭で考える運転になっていて、たどたどしさがありますが、しばらくたつとだんだん運転に慣れてきます。
ハンドル操作も慣れ、交通ルールもわかるようになる。
最初は頭で考えながら運転していましたが、いつの間にか勝手に体が動き始めるようになります。
運転のストレスもぐっと小さくなりますが、危ないのはこのときです。
知らず知らずのうちに「だろう運転」「かもしれない運転」が増えます。
そして油断した結果、事故を起こすのです。
交通事故では、ちょっとしたミスが命取りになります。
だから教習所では、これでもかと言うほど頭に叩き込まれるのです。
これは運転に限った話ではありません。
私たちの日頃の仕事にも同じことが言えます。
新しい仕事を任せられます。
最初は初心者なので、何度も確認したりしっかり注意を払ったりしますが、次第に慣れてきます。
だんだんスムーズにできるようになります。
最初は頭で考えながら仕事をしていましたが、いつの間にか勝手に体が動き始めるようになります。
こういうときが危ない。
大切なポイントをスルーし始めたり、一部だけで全体を判断したり、手順書に書かれている内容を見落としたりします。
「だろう仕事」「かもしれない仕事」が増えていき、油断が生まれ、そしてトラブルを起こすのです。
仕事でも「慣れたときが一番危ない」と自分に言い聞かせてください。
「最近仕事に慣れてきた。一安心だね」ではありません。
「最近仕事に慣れてきた。慣れたときが一番危ない」です。
運転の鉄則を、日頃の仕事にも適用させましょう。