私たちは、いい人になりたがろうとする傾向があります。
嫌われるより好かれたいと思うでしょう。
なるべく多くの人から好かれ、いい人と思われたいと思うもの。
「いい人だね」と言われると、自分が認められたような気がして嬉しくなるもの。
素晴らしい人だと褒められたような気になるでしょう。
しかし、いい人になろうとするのは大変です。
自分に嘘をつくことが増えるからです。
いい人になろうとすると、嫌なことでも断れなくなります。
行きたくない飲み会にも、参加しなければいけなくなります。
賛同できない意見にも「そうだね」と合わせなければいけなくなります。
みんなにいい顔をしなければいけなくなり、八方美人になります。
気が進まないのに、いつも褒められるような振る舞いをしなければいけなくなります。
いい人になろうとすると、相手から利用されることも多くなります。
自分が利用されているとわかっていても、嫌われることが怖いと、断れなくなります。
いい人になろうとすると、情緒不安定になります。
「嫌な人だと思われていないだろうか」と、いつも不安でいっぱいになります。
びくびくすることが増え、いつも心がざわつきます。
いい人になろうとすると、生き方の軸が定まりません。
正直な自分を抑える場面が増え、自分らしさを見失います。
相手や周りに合わせてばかりで、自分らしい生き方ができなくなります。
あるとき、ふと我に返ると「自分は何をやっているのだろう」と虚無感に襲われます。
いい人になろうとするから落ち込むのです。
落ち込まない生き方をしたいなら、いい人をやめることです。
「いい人でなくてもいい」と思えば、肩の荷が下ります。
そして「嫌われてもいい」という前提で生きることです。
大切なことは「はっきり意思表示をする」ということです。
嫌なことは、きちんと断りましょう。
いい人をやめるとはいえ、もちろん最低限のマナーと配慮は心がけるようにします。
行きたくない飲み会は断りましょう。
適当な嘘をついて、うまく断ってしまうことです。
嫌われてもいいと思えば「相手から付き合いが悪いね」と言われても平気です。
賛同できない意見も、言葉に注意しながら「NO」と言いましょう。
相手からむっとされても、正直な意見なら仕方ありません。
いい人をやめれば、言いたいことを言いやすくなります。
「嫌われてもいい」という前提になれば、相手から嫌われても落ち込みません。
「嫌われちゃったね。仕方ないね」と納得できます。
嫌われることを恐れないことです。
嫌われることは、人生の終わりでもなければ、人間否定でもありません。
落ち込まない生き方を実現できると同時に、自分らしい生き方も実現できるのです。