「衣食足りて礼節を知る」という言葉があります。
生活にゆとりができて、人は初めて礼儀や節度に心を向けられるという意味です。
この格言は、礼節に限らず、優しさにも同じことが言えます。
人に優しくできないという人は、余裕がないことが原因かもしれません。
自分に余裕がないと、人に優しくしたくても、なかなかできないのが現実です。
想像してみてください。
多忙を極めているとき、キャパがいっぱいいっぱいのとき、へとへとに疲れ切っているとき、心がぼろぼろのとき。
そうした余裕がない状況のとき、目の前に困っている人がいても、なかなか助けの手を差し伸べられないのではないでしょうか。
余裕がないときは「人のことよりまず自分」となります。
優しい気持ちがあっても、行動に移せない。
「助けたい。優しくしたい。でも今はちょっと厳しい」となります。
ついかりかりしてしまい、表情が悪くなったり、人に当たったりしがちです。
結果として、人に優しくできないのです。
忙しいとき、人に優しくできなくて落ち込む人がいますが、気に病むことはありません。
余裕がないだけです。
どんな人にも限界があります。
誰でも、いっぱいいっぱいで余裕がないと、人に優しくできなくなるのです。
たとえ普段は優しい人であっても、余裕がないと、プラスアルファの行動ができなくなります。
人に優しくするためにも、余裕を作ることが大切です。
まず大切なのは、時間の余裕です。
できるだけ効率の良い仕事を心がけましょう。
機械化・自動化・システム化を進めていき、楽ができるところは楽をしましょう。
ぎりぎりで行動するのではなく、5分前行動・10分前行動を意識して、余裕を持った行動を心がけましょう。
仕事はできるだけ前倒しで終わらせていくことも大切です。
無駄な仕事や会議があれば、効率良く進めるより、いっそのこと削ったほうが得策です。
時間の余裕は、意識すれば、今日からでも作っていくことが可能です。
また、気持ちや心の余裕も大切です。
ポジティブ思考で何事も前向きに考え、いつも明るい気持ちを心がけます。
定期的に休憩を入れ、きちんとストレスを解消して、心にゆとりを作りましょう。
お気に入りの飲み物を飲むだけでも、心が安らいで余裕ができたり、幸せを感じて笑顔になれたりします。
何かトラブルを抱えているなら、放置するのではなく、できるだけ早めの解決を心がけます。
難しい問題であれば、何でも一人でやろうとするのではなく、プロや専門家を頼るという手段も検討してみてください。
余裕があったりなかったりなど、状況に応じて波があるかもしれません。
そんななかでも、できるだけ最低限の余裕だけは持つようにしたい。
余裕がゼロになることだけは避けるのです。
時間の余裕、心や気持ちの余裕を作っていくと、おのずと人に優しく接することができるようになります。