日本では「礼に始まり、礼に終わる」という素晴らしい文化があります。
少し頭を下げて礼をして、別れるときも少し頭を下げて礼をします。
礼のような特別な作法は、日本だけとは限りません。
アメリカでは「握手で始まり、握手で終わる」という作法があります。
インド式の挨拶なら、両手を胸の前で合わせて「ナマステ」が有名ですね。
フランスでは、抱き合って挨拶をします。
モンゴルの挨拶は少し変わっていて、お互いのにおいを嗅いでする挨拶があります。
こうした作法は、世界各国で違いはあっても、意図するところは共通です。
相手への敬意を表しているということです。
人と人との関係があってこそ、社会が成り立っています。
人と出会うときと別れるときには、相手への敬意を表した基本的な挨拶が大切です。
普段私たちは、世間体や体裁を気にしているため、うまく作法を守ることができています。
しかし、ささいなときに忘れがちになります。
腹が立ったときです。
いらいらしたことがあると、自制心を失います。
そういうとき、作法をおろそかにしてしまいます。
挨拶がぶっきらぼうであったり、しなかったりすると、印象が悪くなります。
どんな人でもいらいらするときはあります。
ささいないらいらでも、1つの作法を忘れたがゆえに失う信用は大きい。
たった一度のぶっきらぼうな態度で、相手に不快感を与えたり、ぶつかって口論になったりすることもあります。
興奮しているときは難しいでしょうが、器を大きくする機会です。
いらいらしているときこそ、忘れがちな作法を忘れないことです。