ユニークな質問があります。
あなたには勘違いをしていることがいくつありますか。
おそらくこの問いに、ほとんどの人が「勘違いはないはず」と答えることでしょう。
もし勘違いが自分でわかっているなら、すでに直しているはずだからです。
勘違いとは、実に厄介です。
自分では気づけないからです。
完全に「これでいい」と勘違いをして思い込んでいるので、何かきっかけがないかぎり、気づくことができません。
本を読んでいるうちに、ふと気づければいいですが、なかなか偶然に出会えるわけでもない。
そこで必要なのは「他人の助け」です。
勘違いを早く直してもらうためには、他人からの助言が必要です。
周りの人は「あれ、おかしいな」と気づきます。
気づいたとしても、あなたのことを傷つけたくないので、なかなか言い出せません。
そのため、勘違いをして恥ずかしい行為をしているにもかかわらず、なかなか改善ができない。
知らず知らずのうちに恥ずかしい行為や恥をかいてしまっている場合があります。
気づかないうちに「マナーが悪いな」「かっこ悪いな」と思われるのは嫌ですね。
もしかしたら気づかないまま一生終わってしまうかもしれません。
しかし、ときどき、はっきり言ってくれる人がいます。
厳しいコメントを言ってくれる人です。
その人は神様です。
多くの人が言うのを控える中、あなたのためを思って忠告してくれます。
「ちょっと変だと思う」
「ここがおかしいと思う」
「それ、やめたほうがいいよ」
言えば相手を傷つけ、自分は嫌われるかもしれません。
そういうことがわかっていても、はっきり言ってくれるのは大変ありがたいことです。
厳しいコメントは耳の痛い言葉ですが、はっと気づかせられる言葉が多いです。
私の職場に、Tさんという厳しい指摘をする同僚がいます。
彼は、厳しい指摘をする人として、職場で有名です。
他人が言いにくいことを、無表情でためらいなく口にします。
私が仕事でメールを書いていたときに「ですます」でうまく統一できていない文章がありました。
「文章を書くときには、『ですます口調』で統一したほうがいいよ」
「電話に出るときに『もしもし』はよくないよ。社会人なら『はい』と答えるものだよ」
「何だかその服装、変だよ」
陰で言うのではなく、相手の前ではっきり言います。
精神的にはストレスですが、彼の言っていることは正しいです。
ほかにもセキュリティーのこと、マナーのこと、言葉遣いのこと。
彼から数多くの勘違いを指摘され、気づけました。
彼のおかげで自分の勘違いに、いくつも気づくことができました。
遠慮なく言うので怯える一方、大感謝の恩人でもあります。
もし彼がいなければ、私の勘違いはこれからもずっと続いていたことでしょう。
勘違いは、できるだけ早くに気づきたい。
厳しいコメントを求めることで、弱点を改善する機会になるため、成長できるのです。