私たちがいらいらするのは、目の前ばかり見ているからです。
目の前のこと、今のこと、現在のことしか考えていないからです。
もちろん今に集中することは大切です。
「今を見てはいけない」と言っているのではなく「今だけしか見ていないのは問題です」と言いたい。
未来も視野に入れてほしいです。
今のことしか考えていないと、むかっとしやすくなり、人とすぐぶつかります。
しかし「今のためだけ」ではなく「未来のために」と考えると、意識が変わります。
しつけが厳しい親のもとで育った人がいます。
毎日、親からの厳しいしつけのため、親が大嫌いになってしまいました。
厳しい言葉だけでなく、時には拳が飛んできます。
親から叱られている瞬間は、親が憎くてたまらないことでしょう。
今しか見ていないと、たしかにそう思うのも無理はありません。
子どもはあまり先のことを考えていませんから、親の厳しさの意味を理解するのは難しい。
しかし、10年後という未来から遡って、考えてみましょう。
あなたに対する親の厳しいしつけは、10年後という未来には、必ず役立っていることでしょう。
一時的な厳しいしつけは、長期で見ると、意味がわかります。
親があなたを叱っているのは「今のため」ではなく「未来のため」に叱ってくれています。
親は大人ですから、あなたの成長を長期で考えています。
今だけしか見ていないと、親への憎しみしか生まれません。
しかし「未来のために」と考えると、親への感謝が生まれます。
まったく正反対の感情になります。
親が憎いと言っているうちは、まだ子どもです。
子どもであるあなたは、まだ視野が狭いので、それに気づきません。
ゆえに、親と子の間で、誤解が生まれて、すれ違ってしまいます。
手前ばかりを見ていると、いらいらします。
しかし、遠くを見ると、穏やかになります。
感謝、感激、感動に変わります。