物事には正しい順番があります。
まずこの順番をしっかり把握しておかないと、現実に感謝することが難しくなります。
あなたが今、ここに存在できている素晴らしさです。
今という「時間」の中に、あなたという「存在」が、ここという「場所」に存在する理由です。
決して宗教的でもなく、現実を真っ向から直視するためにきちんと考えておきましょう。
今から話すことは、当然のことですが、不思議なことにほとんどの人が意識をしていません。
基本中の基本でありながら、意識していない、あるいは気づいていない、知らないと言う人さえいます。
なぜ今、あなたは、ここに存在していますか。
なぜ生まれてくることができたのですか。
それは、あなたの両親が生んでくれたからです。
あなたの両親が生んでくれなければ、あなたはこの世には存在しないということは、真実であり、曲げようのない事実です。
では、あなたのお父さんとお母さんはなぜこの世に存在しているのでしょうか。
それは、お父さんとお母さんにも、お父さんとお母さんが存在しているからです。
あなたが今、ここに存在していることは、こうしたことが「原因」になっているからです。
では、もっと原因を追ってみましょう。
お父さんのお父さんのお父さん……、と先祖をたどっていけば、いずれ小さな微生物へとたどり着きます。
まだ進化も遂げていない原型のままの微生物です。
果てしなく遠い昔の話になりますが、過去にそういう事実があったことはたしかです。
さらにそんな微生物が存在できている理由は、水のある海のおかげです。
海があるのは、地球という星があるおかげです。
地球があるのは、太陽系があるおかげです。
太陽系があるのは、銀河系があるおかげです。
銀河系があるのは、宇宙があるおかげです。
今、地球上、いえそれどころか、世の中に存在するあらゆるもの、人、事は、宇宙があるおかげなのです。
すべてが宇宙という大きな「1つ」の中に存在し、宇宙があるからこそ、私たちも存在するのです。
私たちには、共通する本当の先祖がいます。
それは父でも母でもなく、地球でも、太陽系でもありません。
宇宙なのです。
宇宙こそ、この世のあらゆる森羅万象の共通した先祖なのです。
すべての「存在」は、宇宙によって生み出されたものです。
私たちはそれぞれが別々の個体として存在しているように思えますが、元をたどればすべてが宇宙という大先祖に行き着きます。
人間は、この世において絵を作ったり、音楽を作ったりなど、何か新しいものを作っていると思っています。
創造していると思っています。
しかし「作る」や「創造」という言葉には語弊があります。
「作っている」のではなく「組み合わせているだけ」です。
1から作っているわけではなく、初めからあったものを組み合わせて「作った」とか「創造した」と言っているのです。
たとえば、絵というのは、色と色の組み合わせです。
どんな組み合わせ方をするかで、どのような絵になるかが決まります。
しかし、私たちは、色を作っているわけではありません。
それどころか色を作ることはできません。
赤や青や黄色という色は、初めからあったものです。
宇宙が色を作ったのです。
音楽も同じです。
音楽も音の組み合わせです。
音楽というのは、つまり空気が振動して伝わる刺激の組み合わせです。
空気という土台がなければ、音楽そのものも存在しないことになります。
では、空気が何でできているのかというと、分子によりできており、分子は原子の組み合わせによってできています。
空気は何でできているでしょうか。
分子でできています。
分子は、原子の組み合わせです。
カリウム(K)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉄(Fe)、金(Au)などの原子の組み合わせにより、分子ができています。
肉眼では見えませんが、実際に原子の組み合わせである分子によって酸素(O2)、水(H2O)が存在しています。
問題は、この原子を誰が作ったのかということです。
人間でさえ、細かく言えば原子の組み合わせによってできています。
人間は大きく分けて、タンパク質、脂質、水できています。
すべての最小単位は、もっと小さいかもしれませんが、いずれにせよ人間が作ったものではありません。
人間は、色を作ることもできませんし、原子を作ることもできません。
時間も空間も人間が作ったものではなく、すでにあったものです。
誰が作ったのでしょうか。
宇宙が作ったものなのです。
すべては宇宙という1つの中に存在し、人間が宇宙を作ったわけではありません。
最小単位で考えると、色や電子や電子、時間や空間さえも人間が作ったものではありません。
すべてが宇宙という大きな1つの中に含まれており、宇宙が作ったものなのです。
私が書いていることのほとんどは、すべてが当たり前のことばかりです。
なぜ当たり前なのかというと、どれも自然なことばかりだからです。
なぜ自然がいいのかというと、人間は自然の中から生まれてきたからです。
人工が自然を生み出したのではなく、自然が人工を生み出したのです。
そもそも自然に沿った生き方をすることが、宇宙のルールに沿った生き方であり、最もよい流れなのです。
私たちがこの世において1から作り出したものなど、1つも存在しないのです。
人間がしていることは、組み合わせだけです。
それを偉いと勘違いした人間が「作った(作った)」と言っているにすぎないのです。
こうしたことは、当たり前と言えば当たり前です。
しかし、たしかに事実であり、真実です。
にもかかわらず、ほとんどの人がここまで考えることもなく、気づいてもいないのです。
あなたはこの真実に気づいてどう感じましたか。
私は、この真実に気づいたとき、横柄になれなくなりました。
私がしていること、それどころか自分という存在でさえも、自分の力で生まれたわけではありません。
私は、私が作ったわけではないのですから「生かされている」ということをつくづく感じたからです。
「本当のプラス思考とは、そうとしか思えない現実に気づくこと」
自分が今ここに存在していることは素晴らしいことであり、感謝なのです。