あなたが今、もやもやした気持ちでいるなら、まずプラス思考になっていないかチェックしましょう。
「ほらほら、きた。プラス思考になれと言いたいんだろう」
そう言いたいのでしょうが、違います。
むしろ、プラス思考になってはいけないと言いたいのです。
プラス思考ということを意識している時点で、本当は「そう思ってもいないこと」を「そう思い込もう」としているだけです。
「本当はつらいけれど、マイナス思考になってはいけないから、プラスに考えよう」
このように自分の心を曲げてしまいます。
無理やりプラスに考えても、元はマイナスであることには変わりません。
マイナスという心を、プラスというマントで覆い隠しているようなものであり、本質は何も変わっていないのです。
本当のプラス思考とは、思ってもいないことを思い込むことではありません。
にもかかわらず、多くの本や著書では「プラス思考になりなさい」と書いています。
「そうか。プラス思考にならなければいけないのか」とあなたは必死になってプラスに考えようとします。
思い込もうとします。
それがいけないのです。
ストレスの原因になり、余計にマイナス思考へと陥ってしまいます。
プラス思考を意識すれば、現実を曲げて、つらい現実を見てみぬふりをして、プラスに思い込んでしまうでしょう。
たしかに一時的なプラス思考は、そうなったような気がします。
明るい性格になり、物事が輝いて見えるようになります。
しかし、少し時間が経てば、元の心の状態に戻ってしまい、またいつものもやもやした心の状態に戻ってしまいます。
プラスに考えてもうまくできていない自分を「ダメなやつだ」と自分で自分を責めてしまいます。
ストレスになり、さらに悪循環になるのです。
プラス思考に思い込もうとしていることが、問題です。
プラス思考ばかりで頭を固めている人は、本当はマイナス思考の人なのです。
本当のプラス思考は、何もすることなく初めからプラスです。
プラス思考になっているのではなく、初めにある心そのものがプラスに輝いています。
「じゃあ、マイナス思考の私は、これからもずっとプラス思考にはなれないの」
そういう疑問が湧いてくることでしょう。
本当のプラス思考とは「プラスとしか考えようのない現実に気づくこと」です。
世の中のすべてがプラスであるにもかかわらず、あなたが勝手にマイナスへと現実をわざわざ曲げて考えてしまっているのです。
喜びや嬉しいことしかない現実を、悪いことだとあなたが勝手に思い込み、1人勝手に悩んでいるだけです。
たとえば、先生に叱られるという出来事です。
ほとんどの人はここで落ち込んでしまいます。
元気がなくなり、ため息が出ます。
でも、本当は落ち込むことではないのです。
先生はあなたを思って、叱ってくれたという愛に気づくことです。
本当にどうでもいい人には、怒ることもなくただ無視をします。
それをエネルギーと時間を費やして、大切なことに気づかせてくれた「事実」に気づけば、喜びしか湧き出てこないのです。
プラス思考に無理やりなるのではなく、プラスとしか考えようのない現実があるのです。
心の底から本当のプラス思考になっている人は、この真実に気づいている人です。
頭がよくて、プラス思考に洗脳されているのではありません。
ありのままの事実をそのまま受け止めているのです。
そもそも心を曇らせる原因として、プラス思考に思い込もうとしていないかチェックしてみましょう。
本当のプラス思考とは、思い込むことではありません。
思い込んでしまうことは、本来の気持ちに反していることです。
プラスという響きがよくても心を曇らせる雲の1つになってしまっているのです。
プラス思考の頭で覚えることは「そうとしか思えない現実に気づくこと」です。