人間は、虚栄心という心があります。
「人によく思われたい」
「尊敬されたい」
「強いと思われたい」
「かっこよく見られたい」
「美人に見られたい」
「見栄を張って強く見せたい」
本当はそうではないのですが、そう見せようとするのです。
弱く見られたくないからです。
特に恥ずかしいコンプレックスほど、見られたくないという心理が働き、隠そうと見栄を張ります。
弱い犬は、弱く見せないために、ワンワンと強そうに吠えます。
しかし、ワンワンと吠えるがために、人から避けられ、同じ犬同士からも避けられることになります。
顔にコンプレックスを持っている女性が、それを隠そうと必死に化粧をして厚化粧になっているところを見たことがありませんか。
強く見せようとタトゥーを入れたり、夜なのにサングラスをかけていたりと、おかしな格好をしている人を見たことがありませんか。
ちょっと近寄りがたいオーラが出ていますよね。
弱い犬ほど吠えてしまい、みんなから避けられるのと同じです。
見栄を張っても、よいと思っている人は自分だけで、本当はよいことなんて何もないのです。
時間とお金を無駄に使ってしまい、人から避けられ、ストレスを抱え込んでしまいます。
見栄なんて、張らないほうがいいのです。
見栄を張ってしまうと、人生をおかしくさせてしまいます。
流行を追いかけるために必要もない服を買ってしまうことになります。
すごいと尊敬されるために、なりたくもない弁護士や医者といった職業を選び、人生の道を踏み外します。
強いと思われるために人と対立することになり、喧嘩によって肉体的にも精神的にも傷つくことになります。
まったくつまらない石につまずいています。
弱い人なら、弱さを素直に出したほうがいい。
弱さに気づいた周りの人が、助けてくれるでしょう。
弱いにもかかわらず、強いふりをするから、おかしくなるのです。
わからないことはわからないと言ったほうがいい。
わからないことを教えてくれます。
知らないにもかかわらず知ったふりをするから、おかしくなるのです。
見栄を張ると自分らしく生きることができなくなり、人生を踏み外してしまうことになるのです。
弱い人間が、つらい人生を送るのではありません。
背の低い人が、哀れな人生を送るのではありません。
無知な人が刑務所に入るわけではありません。
見栄を張った人がつらい人生を歩むことになり、正直者が幸せな人生を歩むことになるのです。