謙虚を心がけることがよいとわかっている人が多くても、その使い方を間違っている人が多くいます。
特に日本人は、相手を立てる習慣があるため、謙虚となるときも自分を低く見せる傾向があります。
たとえば、歌を歌うことが上手な人が「声がきれいですね」と褒められます。
ここで謙虚を意識して次のようなことを口にします。
「いえいえ、そんなことはありません」
「私なんて、単なるばかですよ」
「自分は、大したことありません」
こうした自分を否定した答え方をしてしまいます。
これを本人は、謙虚だと思っているのですが、実は謙虚ではなく横柄なのです。
自分を否定し、さらに自分を生んでくれた親や、さらにそのまた親も同時に否定してしまうことになってしまうからです。
自動車に例えれば、もっとわかりやすくなります。
1台の自動車を作るためには、たくさんの人の努力が必要です。
「こんな車、大したことないですから」と間違った謙虚をしてしまえば、一生懸命に作った人の努力を否定したことになります。
自動車を否定するだけでなく、作った人まで侮辱しています。
むしろ言ってはいけない一言なのです。
謙虚を誤解していませんか。
本当の謙虚とは、褒められたときには素直に「ありがとうございます」と認めてしまうことです。
自分で自分の素晴らしさを認めることは悪いことではありません。
自分は素晴らしいことを認めた瞬間、同時に生んでくれた父と母を素晴らしいと認めることを意味します。
またさらに元になる地球や宇宙も一緒に素晴らしいですねと認めることになるからです。
素晴らしい宇宙が存在するから、素晴らしい地球が存在し、素晴らしいあなたが存在しているのです。
自分を否定すれば、父と母を否定することになり、地球を否定することになり、宇宙を否定することになってしまうのです。
自分を認めることで、それ以前にあるすべての生みの親を前向きに肯定することになります。
これが謙虚ということなのです。
親に、地球に、宇宙に「ありがとうございます」と言えることが、本当の謙虚です。
褒められたときにとにかく「ありがとうございます」と素直に自分は素晴らしいと認めることです。
「そんなことないですよ」「大したことありません」と自分を否定することは、謙虚でも控えめでもなく、単なる横柄なのです。