私たちが見ている現実は、あくまでも自分の目から見た現実です。
視点が低いです。
せいぜい地上1、2メートルから見た景色です。
私たちは、すべてだと思い込みがちです。
しかし、高いビルの展望台に上がって地上を見下ろすと、人間は小さなアリのように見えます。
さらに飛行機に乗ってもっと高いところから地上を見ると、人間は小さな点に見えます。
そんな小さな存在が、現実です。
私たちは、自分たちの目から見た景色をすべてだと思い込んでいるため、それぞれが大きくて強い存在に見えます。
しかし、もっと高いところから見た視点に変えると、誰もが小さくて弱い存在に見えます。
小さくて弱いがゆえに、その力にも限界があるのです。
1人の力で行うことは、たかだか知れているということです。
特に責任感の強い人は、自分ですべてをやろうとする傾向があります。
1人の力で30キロのバーベルを持つことなら、可能でしょう。
ですが、100キロのバーベルを持とうとすると、簡単にはいきません。
自分は強いと思っている人は、筋トレを繰り返して、自分一人の力で持ち上げることができるようになろうとします。
筋トレをすれば、いずれ100キロのバーベルを持ち上げられる日が来ることでしょう。
では、1トンものバーベルはどうでしょうか。
いくらトレーニングを積んだところで、人間の肉体には限界があります。
自分はそもそも小さな存在なのです。
力を強くするとはいえ、限界があることを知っておくことが大切です。
しかし、意外なことはあるものです。
強い人が持ち上げられない1トンものバーベルは、弱い人なら持ち上げることができます。
なぜでしょうか。
自分一人の力で、しようとしないからです。
弱い人は、自分だけの力でできない自覚があります。
プライドも見栄も捨て、協力を求めようとします。
「協力してください」「助けてください」「手伝ってください」と言って、人を100人集めます。
1人の力には限界がありますが、協力には、限界がありません。
100人もの協力があれば、1トンものバーベルも持ち上げることができるのです。
さらに人を集めることができれば、1トンでも10トンでも100トンでも持ち上げることができるようになるでしょう。
協力という力は、無限です。
弱い人ほど、本当は強いのです。
自分が弱いことを知り、謙虚になっているため、協力によって無限の力を得ることができます。
強い人は実は弱く、本当に強い人は自分が弱いと知っている人のほうなのです。
先ほども言いましたが、高い空から地上を見れば、すべての人間は点なのです。
地位や肩書などまったく関係ありません。
人間は本来、すべてが小さくて弱い存在です。
それを否定して「違う。俺は強いんだ」と言う人は、本当は弱い人なのです。
協力を求めないからです。
ゆえに1人の力に限界があり、壁に当たってしまいます。
自分が弱いと思っている人ほど、幸せです。
それが真実であり、事実だからです。
大切なことは、そこからいかに謙虚になり人の協力を得られるかにかかっています。
その力には限界がなく、無限なのです。
それが本当のあなたの力であり、弱い人ほど強くなれるということなのです。