人は誰かに必要とされるときに、幸せを感じます。
必要とされるための2つの大切な要素があります。
能力と存在です。
必要とされるときは、必ずどちらかが関係します。
時には能力と存在の両方のときもあります。
たいていの友人や自分に関係ある人は、あなたの能力を必要とします。
あなたの知識や技術を、必要とするのです。
もちろんそれも大変嬉しいことです。
そこでもう1つ知っておきたいことは、能力にはあなたの代わりがいるということです。
たとえば、日本料理の技術を取得した人が2人いるとします。
上手な人と、もっと上手な人です。
店で料理を作ってもらうのは、一番上手な人にやってもらいます。
お客さんに2番目に上手な人の料理を出すのは失礼なことだからです。
1番から下は不要です。
必要でなくても、補欠ということになります。
1番以外は補欠になってしまうのです。
能力の場合、競争の世界なのです。
2番や3番は、1番になろうと必死になります。
1番は追い抜かれないように必死になります。
能力中心の競争は、ずっとにらめっこ状態が続きます。
これは疲れます。
能力主義の日本がストレスで悩むのも無理ありません。
対策としては、自分の価値を変えればいいのです。
あなたの本当の価値を、能力から存在に変えるのです。
存在に自分の価値をおけば、競争はありません。
世界であなたはたった1人です。
オンリーワンなのです。
あなたのことを「変わっている人だ」と言われるところに働きに行きましょう。
あなたの変わっているところに価値を認めてくれる人がいれば、お世話になりましょう。
私は友人を1人も捨てることができません。
私の目には、どの人も全然違って見えます。
実際、同じ人は1人もいません。
ストレートな発言をする人、人望のある人、優しい人、面白い人、みんながそれぞれの個性を持っています。
先ほどの料理人の例も、一番料理がうまい人が能力で雇われるなら、2番目は存在で雇われるといいでしょう。
彼がいると場が明るくなる、みんなやる気になるようなそんなムードメーカーになります。
料理技術という能力があり、ムードメーカーという存在があるなら、彼は2番でも1番より強い存在です。
能力と存在の例は、あらゆる人間関係に通じます。
親子関係や好きな人との関係は、存在主義の関係です。
仕事での利害関係、年功序列や終身雇用の崩壊は能力主義の関係です。
あなたの能力は、どんどん伸ばしましょう。
個性はさらに伸ばしましょう。
日本社会では、出る杭は打たれますが、出すぎた杭は打たれません。
出すぎた杭に、存在を感じるのです。