性善説を知っていますか。
昔、中国の孟子が説いた教えです。
「人の本性は善である。悪は善のために生まれる」という、善第一主義の教えです。
人はすべて性善説の上に成り立っています。
悪いことや嫌なことをする人も、何かそれなりの「わけ」があるのです。
私がアメリカのロサンゼルスに留学していたころ、数多くのホームレスを見てきました。
日本は比較的、貧富の差が小さい国です。
それに対して、アメリカは貧富の差が大きい国です。
お金を持っている人は持っていますが、持っていない人は本当に持っていません。
「その日暮らし」という生活です。
そんなホームレスを見ていると、今日を生きることに必死であることが伝わってきます。
私は「なぜ、そんな状態になってしまったのだろうか」と、よく不思議に思っていました。
ときどきホームレスを「人間以下」と軽蔑する人がいます。
たとえホームレスでも、私たちと同じ人間です。
好き好んで家を失ったわけではなく、それなりの事情があったのだと解釈しましょう。
銀行強盗をする人や人殺しをする人は、本人が好きでやっているわけではありません。
身なりや外見だけを見て判断するのではなく、いろいろな角度から見てほしいのです。
その人は善の心があって、その結果、そうなってしまったのです。
赤ちゃんは、みんな真っ白な心を持ってこの世に生まれてきます。
悪いことをたくらむ赤ちゃんなんて、1人もいません。
それが大人になるにつれ、学校、家族、会社などの環境の中で「何か」があったのです。
「性善説」
これは人間関係のキーワードです。
性善説を意識しながら、人と接していきましょう。
優しい気持ちになれます。
あなたも含めて、実はみんな、いい人なのです。