もともと心は輝いています。
しかし、その心に雲になって光を遮っている存在があります。
それが「不安」と「恐怖」です。
不安と恐怖があると、せっかくの心の光も隠れます。
心はもともと光り輝いていますが、その光を不安と恐怖という雲が遮ってしまっています。
では、不安と恐怖の正体とは何でしょうか。
それは単なる「妄想」が正体なのです。
本当はまだ起こってもいない未来に不安になったり、現実に恐怖を感じたりすることは、頭の中だけで考えていることです。
まだ現実に起こってはいません。
不安と恐怖は、頭の中だけで考える非現実なことなのです。
あなたが勝手に作り出してしまっているわけです。
本当はまだ起こってもいない現実を頭の中だけで妄想を膨らませ、現実であるかのように1人勝手に悩んでいるわけです。
「でも、そうは言っても不安や恐怖を感じてしまう……」
そう言いたいのでしょう。
さて、ここからが本題です。
では、そもそも不安と恐怖を作り出している原因とは何なのでしょうか。
それが「過去の記憶」です。
過去に叱られた経験やつらい経験があり、その記憶があるために「二度とあんな目にあいたくない」と思います。
ゆえに不安や恐怖が湧き出てくるのです。
不安と恐怖を作り出している大本は、過去の記憶だったのです。
極端な話、過去の記憶がなくなれば不安と恐怖もなくなります。
生まれたばかりの赤ちゃんは過去の記憶が一切ありませんから、みな明るく元気です。
幼い子どもほど明るく、大人になるほど暗くなってしまう理由は、過去の記憶があるかないかです。
何も記憶喪失になれといっているのではありません。
それは現実的でないことは、私もわかっています。
あなたは過去にあった叱られた経験やつらい経験から、同じことが起きないように今に対して不安になり、恐怖を感じているのです。
では、こんなときどうすればいいのでしょうか。
過去の記憶が原因なら、過去を変えてしまえばいいのです。
以前の私は、不安と恐怖だらけの人間でした。
いつも将来が不安で、つらい出来事がないように恐怖を感じていました。
しかし「あること」に気づいてから、一気にぱっとすべてが変わったのです。
それが「過去のおかげで今の自分が存在している」という事実です。
私は過去に、女性に振られたり、先生に叱られたり、友人と喧嘩をしたりした経験が何度もあります。
そうした過去の記憶のために、女性との付き合いに怯え、先生に恐怖を感じ、友人とすれ違う不安を感じていました。
しかし、今の強い自分がなぜ存在しているのかというと、そうした過去があるからです。
つらい過去があったおかげで、今の強い自分が存在しているのです。
つらい経験をしている真っ最中は「二度とこんな経験はしたくない」と思っています。
ですが、後になってあらためて考え直してみると、つらい経験ほど自分の中で得られる成長があります。
先生に叱られたから、自分のいけないところがわかった。
女性に振られたから、自分の欠点を知ることができた。
友人と喧嘩をしたから、人付き合いの弱点がわかった。
よくよく考えてみると過去のつらい経験は、どれもいい経験ばかりなのです。
嫌な経験とは、自分が思い込んでいた妄想です。
現実としては、感謝すべき出来事です。
自分のためになるようなつらい経験ほど、実際は、喜びです。
「大変でつらかった。でもそのおかげでよくなった!」
この事実に気づいたとき、私はぱっと変わったのです。
今までの暗い過去が180度ひっくり返り、明るい過去へと一気に変わったからです。
過去の記憶がすべて明るい記憶に変わってしまえば、不安も恐怖もなくなってしまいます。
むしろ「もう1回つらい経験をしたいな」と思ってしまうほどです。
また自分が1つ成長できるという事実があるからです。
暗い過去のせいでストレスになっていたことが、輝かしい過去に変わればもう恐怖も不安もなくなります。
過去に起こった出来事にすべて感謝できるようになれば、今に不安を感じたり恐怖に怯えたりすることはなくなります。
現実には悪いことなど、1つもないからです。
喜びしかない。
これが本当の現実の世界であり、不安と恐怖は自分が勝手に作り出している妄想だったのです。