私たち人間は、過去の記憶によってできています。
過去に起こった楽しい経験やつらい経験によって、今、起こっている出来事が、よい出来事か、それとも悪い出来事かを判断します。
過去に叱られた経験がある人は、今叱られると、過去の記憶を呼び出し「これは悪い経験だ」と自分で勝手に解釈します。
過去に好きな人とキスしたことがある人が、好きな人とキスをすれば「これはよい経験だ」と過去と照らし合わせて判断します。
同じような出来事が起これば、過去の記憶と照らし合わせてスイッチが入り、感情や気持ちが自動的に湧き出てくるのです。
叱られると過去の記憶と照らし合わせて「自分はつらい経験をしている最中だ」と判断し、それ相応の感情を自分で作ります。
好きな人ができれば、過去の記憶と照らし合わせて「自分はハッピーだ」と解釈し、それ相応の感情になるようスイッチが入ります。
まさに私たちは、記憶によってできているのです。
自動販売機のように、ボタンを押せば、それ相応の商品が出てきます。
ある出来事が起これば、それ相応の気持ちや感情が湧き出てきます。
過去の記憶によって、今のあなたの感情や気持ちが決定されています。
ですが、ちょっと待ってください。
本当に悪い出来事って、悪い出来事なのでしょうか。
私は過去に先生にひどく叱られた経験がありますが、そのおかげで大切なことに気づくきっかけになりました。
人前で恥をかく経験をしたことがありますが、そのおかげで少しずつ、恥ずかしくないマナーを身につけることができました。
過去の悪い出来事は、見方を変えると、実はどれもよい出来事なのです。
プラスとしか考えようのない事実に気づくはずです。
これが「出来事の受け止め方を変える」ということです。
「愛に目覚めるということ」です。
出来事によい悪いという色がついているわけではありません。
あなたが勝手に自分で色をつけているだけです。
そう思い込んでいるだけです。
受け止め方を変えれば、振り返りたくもない暗い過去と思っていた出来事が、実は輝くような素晴らしい出来事へと変わります。
黒ばかりになったリバーシも、ある駒を白にひっくり返せば、たくさんの黒が白へとぱっと変わります。
私は過去につらいなという経験をたくさんしてきました。
厳しい親に育てられたり、留学をして英語や生活に苦労をしたり、友人や恋人との関係、仕事の苦労など、いくらだってあります。
しかし、今振り返ると、それらどれも今の私には、なくてはならない出来事だったとわかります。
そうした出来事があったおかげで、今の私が存在し、このようにHAPPY LIFESTYLEを作ることができています。
過去への受け止め方を変えれば、今が一瞬にして変わるのです。
「あんな出来事さえなければ良かったのに」
「あのときの出来事さえなければ、今はうまくいっていたのに」
このように過去の出来事を変えようとするのではなく、過去の受け止め方を変えるのです。
「叱られる経験があったおかげで、大切なことに気づくことができた」
「失恋を経験できたおかげで、愛の大切さを知った」
リバーシのように黒から白へとひっくり返して、過去を変えてしまうのです。
過去に起こった出来事そのものを、変えることはできません。
ですが過去に起こった出来事への受け止め方は、いつでも変えることができるのです。
今、あなたがつらくて、恥ずかしくて、思い出したくもない過去を背負っているなら、受け止め方を変えるだけでいいのです。
出来事を変えることは絶対にできません。
受け止め方を変えることで、プラスへと転化させていくことが大切なのです。