犬の鼻は少し変わっています。
鼻全体がべっとり湿っています。
時には、鼻水をだらだら垂らしていることもあります。
人間が鼻水を流すときといえば、風邪を引いているときを思い浮かべることでしょう。
鼻水が流れているときは、ティッシュで拭き取る。
そんな常識から、犬も鼻水が流れ出ていると、つい、ティッシュで拭き取ってあげたくなります。
しかし、犬の鼻が湿っている事情は少し違います。
決して風邪を引いているわけではなく、湿っていて正常です。
なぜ犬の鼻が湿っているのかというと、においを嗅ぎ分けるためです。
犬は人の100万倍とも言われる鋭い臭覚が特徴ですが、鼻全体が湿っているおかげです。
湿っているほうが、においの分子が鼻の粘膜に吸着しやすく、においを嗅ぎ分けやすくなります。
食べるものが腐っているかどうかをかぎ分けたり、散歩のときに鋭い臭覚で縄張りを確認したりするなど、重要な役目を果たします。
鼻水が気になって拭いてあげるのは、犬には少し迷惑な話です。
ある程度の鼻水は、それほど神経質になる必要はありません。
もちろんあまりに鼻水がだらだら流れすぎている場合は、鼻炎を起こしている可能性もあるので、疑ってみるといいでしょう。