私が犬を飼い始めてまず驚いたのは「食べ方」です。
飼い主の与える食べ物を、周囲の状況など気にかけないで、一心不乱に食べる光景が印象的です。
勢いがいいので、見ていて気持ちいいくらいです。
「よく食べるなあ」
飼い主が与えた餌を、1秒でも早く食べようといわんばかりの勢いで食べます。
しかも、食べている様子を見ていると、あまり噛んでいません。
飲み込んでいます。
飼い主か誰かに餌を横取りされるのを恐れるかのように、少しでも早くできるだけたくさん食べようとします。
「誰も横取りはしないよ。ゆっくり食べていいよ」と思います。
実はこの習性、犬の習性の1つです。
犬には「限界になるまで勢いよく食べ続ける」という習性があります。
満腹になるまで食べ続けるということです。
この習性ですが、犬がまだ人と生活を始める野生時代だったころの名残です。
野生時代は、食い物にありつけるタイミングが不定期でした。
次はいつ獲物にありつけるかわかりませんでした。
そのため食べられるとき、誰かに横取りされる前に早く食べられるだけ食べ、万が一、食料にありつけない場合に備えていました。
その本能が名残として残っているため、犬は食べるとき勢いがあり、しかも食べるだけ食べてしまう習性があります。
ということはです。
もし犬に餌をやった後「食べ残し」があれば、よくありません。
「もう胃に入らないほど限界まで食べた」ということです。
いくら育ち盛りとはいえ、そういう食習慣を毎日繰り返していると、いずれ肥満になります。
食べる量の調整は犬が判断することであり、肥満になるかどうか犬の責任と思いますが、違います。
飼い主の責任です。
飼い主は、犬が肥満にならないように食事の量を調整しなければなりません。
食べるのは犬でも、食べる量を調整するのは、飼い主の役目なのです。