受験生の中には「勉強の準備」に、長い時間をかける人がいます。
たとえば、自分専用の英単語帳を一生懸命に作っている人です。
知らない英単語だけ別のノートに抜き出して、チェック用に使おうと思っているようです。
何百、何千もの英単語を書き写すのは、並たいていではありません。
作ろうとする心がけは立派ですが、やめたほうがいい。
書店で英単語帳を1冊買って、わからない単語のところだけ鉛筆でチェックを入れれば、一発で完了します。
チェックのついたところだけ、見直しをすれば同じ効果が得られるはずです。
ある人は、効率のいい勉強法の発見に精を出しています。
事実、世の中には効率のよい勉強法が存在します。
もちろん自分の経験で得たノウハウは頼りになりますし、自分に合ったノウハウも見つけやすいことでしょう。
しかし、時間がかかりすぎます。
また自分一人で考える勉強法は、ちっぽけなものです。
方法を一から考えようとする意気込みは素晴らしいですが、世の中にはすでに先輩たちが大勢います。
そういうときは書店で「勉強術」というジャンルの本を1冊買って熟読すればいい。
あなたが普段気づかないような勉強法や、あっと驚くような方法などを惜しみなく紹介してくれています。
結果として、鋭い勉強法を見つけやすくなり、大幅な時間や労力を節約できます。
参考書選びもそうです。
書店に行って、山ほどある参考書の中から1冊を選ぼうとする人です。
もちろん自分の目で参考書を選ぶのは重要です。
解説のわかりやすさや参考書の雰囲気は、実際に手にとって見ることが必要です。
しかし、山のようにある参考書を一つ一つチェックするのは時間がかかりすぎます。
こういうときは、合格者から実際に使っていたおすすめの参考書を教えてもらえばいい。
無限にあるような参考書の中から、ためになる1冊を選びやすくなり、時間や労力を大幅にカットできます。
合格体験記にも記載がありますし、インターネット書店の書評を参考にしてもいいでしょう。
ある人は、教科書に書いていることを、淡々とノートに書き写している人もいます。
書き写したものを何に使うのかは知りませんが、丁寧に手で書き写している人がいます。
書き写している時間は「勉強時間」ではなく「文字の稽古」の時間です。
そんなときは、コピー機を使えば一瞬です。
参考書を読むのが面倒なので、音読して録音をする人がいます。
そんなことをするくらいなら、最初から音声化されたCDがついた参考書を買えばいい。
しなくてもいい勉強の準備に、時間をかけすぎていないでしょうか。
勉強の準備時間は、どんなに一生懸命な姿をしていても、勉強時間ではありません。
準備をしている間は、勉強そのものにまだ手をつけられていない状態です。
一生懸命している姿が、必ずしも勉強している姿とは限りません。
しかし、何かに一生懸命になっていれば、報われていると信じている人がいます。
お金や工夫で、準備時間を短くしたり、省いたりできる方法はありませんか。
勉強の「準備」に時間をかけすぎず、ささいな工夫で、カットしましょう。
本来の勉強である、知識をインプットしたり、理解したりすることこそ、たっぷり時間を投下します。
それが、本当の勉強時間です。