川の上流では、かどのある石が多いのですが、海に近づく下流になるほど、丸い石が多くなります。
下流で流れる川には、丸い石ころばかりです。
下流へと流れている途中でたくさんの石同士がぶつかり、そのたびに少しずつかどが取れていくからです。
ぶつかることで、だんだんかどが取れ、丸くなります。
丸くなった分だけ、次からはぶつかることが少なくなり、川の中では流れやすく進みやすくなります。
世渡りがうまくなります。
川は人生そのものです。
10代は、かどのある石と同じです。
大きくて、鋭くて、かどがあります。
それは、偉そうにふんぞり返り、エゴの強い状態ということです。
たくさんの人と喧嘩をしたり、揉めたりと、ぶつかることがしばしば。
10代や20代は、争いやいざこざの連続です。
しかし、それは、丸くなるために、必要不可欠なことなのです。
よくぶつかる人は、それだけかどがある証拠です。
人よりとがっているから、ぶつかることも、多くなります。
かどのある人は、事あるごとに、たくさんぶつかるでしょう。
神様が「丸くなりましょう」と、たくさんの試練を与えてくれているのです。
10代の人でも、すでに丸い人がいます。
そんな人は若くして、争いやいざこざが少なく、人と喧嘩することはあまりありません。
人と仲良く、調和が取れています。
かどが多い人ほど、ぶつかることが多くなります。
丸い人ほど、ぶつかることは少なくなります。
しかし、結局いずれは、みんな丸くなるのです。
世の中、うまくできているものです。
高齢者ほど、性格の丸い人ばかりです。
若いときにたくさんぶつかってかどが取れ、おかげで丸くなっていったのです。
お年寄り同士では、喧嘩がありません。
性格が丸いですから、腰が低く、ぶつかることがないのです。
日本のことわざに「実るほど、頭の下がる稲穂かな」という言葉があります。
稲穂は、成長して実るほど、頭が垂れ下がります。
年を取り、成熟する人ほど謙虚な姿勢になるという、丸い心を表現した言葉です。
人生は、丸くなるための旅路です。
性格を丸くしていくことが、人生における勉強であり、試練です。
川と同じように、たくさんぶつかって、丸くなることそのものが勉強です。
ぶつかってもいいのです。
どんどんぶつかって、早く丸くなりましょう。
かどを取って丸くなれば、自然と腰が低くなり、丁寧になります。
地球も丸い。
輪も丸い。
丸い形には、1つのかどもありません。
平和であり、調和であり、愛の表れなのです。