私たちは、ときおり、過去を振り返ることがあります。
さまざまな過去を振り返りますが、なかにはつらい悲しい過去があります。
苦しい過去、思い出したくもないほどの過去があります。
マイナスの感情を伴って過去を振り返ることを「後悔」といいます。
「あんなこと、しなければよかった」
「最悪の出来事だった」
「大変だった」
過去を恨み、憎みます。
こうした過去は、誰にでもあるでしょう。
過去を黒板消しで、さっと消すことができればいいのですが、できないから過去という記憶に苦しめられています。
時間は進む一方で、逆戻りはできない。
だからとはいえ、タイムマシンに乗って過去に戻ることも、現代の科学技術では不可能です。
私たちは、変えられない過去に縛られ、生きています。
「やはりつらい過去は変えられないのか……」
ちょっと待ってください。
本当につらい過去は、変えることができないのでしょうか。
いいえ、実は過去を変える方法があります。
タイムマシンに乗って過去に戻る方法ではありません。
もっと単純に考えましょう。
過去を変えるための本当のポイントは、今にあります。
今をどうすればいいのかというと、素晴らしくするのです。
すると、今まで生きてきた過去も、すべて素晴らしくなります。
どんなにつらい過去があっても、今を素晴らしくできれば「つらい過去のおかげだ」と感謝できます。
生まれたときにはみんな、心が白い状態です。
オセロに例えると、生まれたときは白ですから、碁盤の四隅は白になっています。
どんなに黒ばかりが並んでいても、次の一手で白をさせば、ぱたぱたとすべて白に変わってしまいます。
過去を変えようとするなら、今を素晴らしくしようとしましょう。
集中すべきは、過去ではなく、今です。
現在です。
私は過去に、たくさんのつらい経験をし、嫌な思い出もあります。
叱られた経験、失敗した経験など、数え切れないほどあります。
しかし、そのおかげで今の自分があると考えることができれば、過去はすべて輝きになります。
黒から白へと変わります。
「つらい過去のおかげで今の素晴らしい自分がいる!」
過去に感謝した瞬間、過去が黒から白へと変わります。
つらい過去があっても「その経験のおかげで、学べた」と考えることができれば、暗い過去は輝きに変わります。
つらい過去があったから、素晴らしい今があると思えば、過去も素晴らしい出来事の連続であったということに気づきます。
今をマイナスに生きている人は、いつもつらい過去を憎んでばかりいます。
それでは一向に生活が向上しません。
過去を変えるキーポイントは「今」にあります。
過去を変えたければ、今を変えましょう。
今を素晴らしくすること。
今を白に変えれば、過去という黒いオセロがすべて白へとひっくり返ります。