私は小さいころ、ささいな嘘をつくたびに母からよくこんな言葉を言われました。
「貴博、嘘つきは泥棒の始まりだよ」
あなたも一度は聞いたことがある、有名な言葉ですね。
「嘘をついていると、自分を偽ることが普通になり、泥棒になっても罪悪感を抱かなくなる」という教えです。
「嘘をつくことは、まさに泥棒への第一歩を踏み出している。だから嘘をつくのはやめましょう」ということです。
私が受けた教えは、こうした格言だけではありません。
一番感心したのは、母が上手に会話の中に格言をちりばめるという、その配慮です。
母は、昔から日本のことわざを日常会話にうまくちりばめ、幼い私にもわかりやすく説明する達人でした。
ことわざは、先人からの教えの凝縮です。
一言で、わかりやすい言葉だからこそ、幼い子どもにもすぐ理解できます。
いつも言っているため、母の言葉なのか、ことわざなのか、わからないときもあるくらい自然に会話の中に取り入れていました。
ことわざを会話の中に取り入れると、言葉に説得力が出てきます。
会話にリズムがついて、活性化されます。
母からよくことわざを使った会話をされてきたため、子である私にも癖になってしまいました。
HAPPY LIFESTYLEでは数多くの言葉が登場します。
格言を持ち出して会話を切りだす話し方は、親譲りなのです。