目標と目的は、似たような意味を持ちながら、別物です。
目的が最後のゴールとすれば、目標はその前に立ちはだかるたくさんのハードルです。
1つハードルをクリアすれば、また次のハードルがあります。
次々とハードルをクリアしていくことは、目標を達成していくことです。
小さなハードルでも、それを乗り越えれば確実に最終的なゴールである目的に近づけます。
走っている本人がしっかりゴール(目的)を意識し、そこに正しく近づくために目の前のハードルを乗り越えているからです。
ゴールを意識せずに、ただやみくもに走っていたのでは、いつまで経ってもゴールへとたどり着けません。
人生も同じです。
あなたが今、目標を飛び越える前に、まず向かうべきゴールを設定しなくてはなりません。
進む前に、進む方法を定め、この目標は本当に目的に近づいているのかをいま一度見直してみる必要があります。
あなたにとっての人生の目的とは何でしょうか。
あなたにとっての人生の目的とは「幸せな人生」を指します。
私だけでなく、世界共通、みんなの願いです。
では、幸せな人生を決める決定的なポイントは、どこにあるのでしょうか。
それが「死の瞬間」です。
人生の最終地点とは死の瞬間であり、その瞬間から逆に遡って「今」を考えていく必要があります。
「いい人生だった。良い人間関係に恵まれ、自分の人生は幸せそのものだった」
人間は誰でも死の瞬間に思い残すことなく、この世を去りたいと思います。
死の瞬間に自分の人生を振り返り、本当に良い人生だったのかどうかを判断します。
幸せだったかどうかを判断するのは「死の瞬間」にわかることなのです。
「若いころから死を考えるなんて、縁起が悪い」
そんな声が聞こえてきそうですが、そんなことを言う人は今しか考えていない視野の狭い人です。
視野が広い人は、自分はいずれ最後は死ぬこともわかっていて、それを視野に入れたうえで今を生きています。
若かろうが大人でも、いずれにせよ最後には死ぬことは曲げようのない事実なのです。
すべての人は、人生の最終地点として、死の瞬間から考える必要があります。
ほとんどの人が「今→死」の順番で、人生を設計しようとします。
しかし、本当の幸せな人生設計は「死→今」というふうに、死の瞬間から今に遡り、考えていく必要があるのです。
今現在から未来を考えるのではなく、未来から今現在を反対方向で見ていくのです。
未来とはいつのことを指すのかというと、すなわち死の瞬間です。
死の瞬間に、心から喜べる人生だったと思えるような人生を、死の瞬間から逆算して今を作っていく必要があるのです。
良い人生を考えるには、今現在から考えません。
今現在のことばかりにとらわれていると、目の前の欲ややるべきことを間違えたりしてしまいます。
見栄を張って一軒家を買ったあげく、何十年ものローンの返済に苦しむ未来になる。
肩書や地位を追いかけて仕事をした結果、健康を崩し、入院してしまう未来になってしまう。
既婚であるにもかかわらず、不倫をして、家族崩壊という未来につながってしまう。
今を中心に見るということは、人間でいう「主観的」になっているという状態です。
周りが見えなくなり、正しい判断が自分ですら、わからなくなります。
しかし、未来から今を見ると「客観的」になれます。
これは未来の幸せにつながるのかどうかが、わかるようになります。
大胆ですが、あなたの人生の最終地点は、死の瞬間です。
死の瞬間から今を考えていると「これは自分の幸せにつながる道ではない」と、客観的に判断ができるようになります。
死の瞬間を視野に入れて考えることが大切です。
この世から去る瞬間に「何て幸せな人生だったのだろう」と心から思える人生を送れるような人生設計をするのです。