感謝には、反射する作用があることをご存じですか。
鏡のように跳ね返って、自分のところに戻ってくることです。
代表的な感謝の言葉といえば、なんといっても「ありがとう」という一言です。
親切にされたから相手に「ありがとう」と言います。
すると、数日後、今度は自分が相手から「ありがとう」と言われる立場になります。
私が仕事をしていても、大変当てはまります。
「ありがとう」と他人に感謝する人ほど、ほかの人からも「ありがとう」とよく言われているのです。
偉い人、頭のいい人、地位の高い人が「ありがとう」と言われるのではありません。
他人に感謝をする人が、逆に感謝をされるようになります。
だれしも「どうもありがとう」と言われると、自分が役立ったことを感じることができます。
「喜んでもらえた」
「感謝してもらえた」
「私のことを見てくれている」
「きちんと感謝する人なんだ」
総合的に、感謝をする人に対して、人間的な評価が高くなるのです。
話しやすく、親切で、温かい心を持っている人だと思われ、ちょっと嬉しいことがあるとすぐ「ありがとう」と言いたくなります。
仕事を速く完璧にこなすことに、これがどんな意味があるのかと思っていませんか。
人間関係の善しあしは、仕事の質の善しあしに大きな影響を及ぼします。
人間関係が向上すれば、それだけたくさんの人に助けてもらうことができるようになります。
わからないことやできないことがあっても、人から好かれていると頼み事やお願いができたり、手伝ってもらえます。
結果として仕事の質が上がるのです。
たった1人で、1トンの石を持ち上げようとしても不可能ですが、100人の力を合わせて持ち上げるなら可能です。
1人ですべてをやり遂げようとする人は、その心意気こそはかっこいいですが、実際はそれほどうまくいくものではありません。
あなたが今、ここまで生きてこられたことは、あなた1人の力ではありません。
親からの養育があり、たくさんの先生から教えを受け、たくさんの友人から友情を学ぶことで、生きていることができています。
仕事も、同じことなのです。
簡単と思えることも、ノウハウや技能を他人から学ぶことでできるようになります。
決して自分だけの力ではないことを自覚でき、感謝できる人が、最終的に仕事ができるようになるのです。
「ありがとう」と感謝できることは、仕事ができるようになるために、大きな関係があるのです。