仕事を真面目にしないことで、仕事のスピードと質を上げることができる場合があります。
仕事ができない人は、決まって真面目な人であり、100パーセントの力を朝から晩まで出しています。
だから膨大なエネルギーを消費することになってすぐ疲れてしまい、途中から集中力が欠けて、仕事の質が下がってしまうのです。
疲れるのですから、当然のことながら、ミスや間違いが多くなります。
しかし、本人は「自分が真面目じゃないから。もっと真面目にならないといけない」と思い込んでいます。
朝早くから、毎日残業をして、それでも仕事がうまくいかないから、もっと自分に鞭を打ちます。
真面目な人ほど仕事ができない、典型的なパターンです。
真面目だからうまくいかないのです。
真面目になるほど、本当は仕事のスピードが落ち、質が下がってしまいます。
人間はロボットではないのですから、行動すればそれだけ疲れます。
疲れると集中力が落ち、ミスや間違いがそれだけ多くなります。
そうしたことをきちんと計算に入れておかないといけません。
本当に仕事ができる人をよく見ていると「サボり上手」であることに気づきます。
もちろんずっとサボっているわけではありません。
大切なところだけ力を入れて、どうでもいいところは力を抜いているのです。
「仕事のできるサボり上手」というわけです。
私の職場には、Nさんという仕事のできるサボり上手がいます。
いつもだらだらしています。
「風邪を引いた。疲れた、眠い」と言いますが、仕事の依頼が来たときには、顔色を変えて仕事をします。
「だらだらした様子は演技だったのか」と思うほど、仕事をてきぱきこなし始めます。
Nさんがいつもだらだらしているのは、本当に必要な瞬間のためにエネルギーの無駄遣いを避けているのです。
いつも無駄なエネルギーを使っていないため、大切な瞬間にはエネルギーを発揮します。
Nさんは無駄な残業もせず、定時になればさっさと帰ってしまいます。
「必要のない残業をして、疲れをためていては、次の日に体を壊してしまうから」と言います。
仕事の質を上げるために必要なときにだけ、力を入れればいいのです。