私たちは子どものころから「迷惑をかけてはいけません」と言われてきました。
親や先生から「迷惑をかけていけません」と何度も言われると、それが普遍的な道徳法則となります。
迷惑をかけないことは正しいことであり、絶対守らなければいけないルールになっています。
しっかり頭にこびりついていて、厳守事項として心がけている人も多いのではないでしょうか。
しかし「迷惑をかけてはいけない」という考え方ほど危ないものはありません。
「迷惑をかけてはいけない」と考えていると「人に助けを求めること=悪いこと」という認識になります。
人に助けを求めることができなくなり、すべてを1人で抱え込んでしまいます。
弱音を吐くことすらはばかられ、無理をすることが増えてしまいます。
これほど恐ろしいことはありません。
いずれストレスに押しつぶされるでしょう。
肉体的・精神的に支障を来すことになります。
人は元来、周りに迷惑をかけながら生きていく生き物です。
赤ちゃんのころは病院関係者に迷惑をかけました。
子ども時代は、親にたくさん迷惑をかけながら育ってきたでしょう。
学校では、先生に迷惑をかけながら勉強していったはずです。
近所の人に迷惑をかけながら、社会ルールを学んでいきました。
友人に迷惑をかけながら、人付き合いのスキルを身につけていきました。
人生は、迷惑をかけたりかけられたりする繰り返しです。
私たち人間は、誰かに迷惑をかけないと、生きていけません。
「迷惑をかけてはいけない」という考え方にとらわれていると、人生が息苦しくなって、生きることが大変になります。
迷惑をかけてばかりもよくありませんが、だからといって迷惑をかけてはいけない考えに固執するのはもっともよくありません。
肩の力を抜いて、楽に考えましょう。
悪い呪いから自分を解放してください。
堅苦しい思い込みから目を覚ましてください。
困ったときは、どんどん迷惑をかけてもいいのです。
「絶対迷惑をかけてはいけない」ではなく「困ったときは迷惑をかけてもいい」が正解です。
つらくて苦しいときは、迷惑をかけてもいいので、積極的に助けを求めてください。
「ダメかもしれない」と思ったときは、素直に助けを求めましょう。
迷惑をかけることになってもいいのです。
本当に困っているときには、きちんと助けを求めなければいけません。
きちんとSOSを出し、ヘルプを求めることです。
それは悪いことでも恥ずかしいことでもなく、必要なことです。
人は支え合っていく生き物ですから、迷惑をかけることがあるのは当然のことです。
誰かに迷惑をかけたとしても、自分の健康や問題解決を優先することが大切です。
迷惑をかけたら、後からきちんと謝ればいいことです。
助けてもらうことがあれば、きちんとお礼を言いましょう。
後から謝ればいいと思えば、迷惑をかける抵抗感が小さくなります。