私たちは「甘えてはいけない」と言われながら育ってきました。
親や先生から「人に甘えてはいけません」「自立しましょう」と言われてきました。
「弱音を吐くのはよくない」「悩み事があっても自分の力で解決すべきだ」と言われてきました。
その影響のためでしょうか。
甘えることに罪悪感を持つ人が少なくありません。
ここに誤解があります。
「甘えてはいけない」と思っていると、ストレスがたまる一方です。
人は、機械ではなく、心を持った生き物です。
心が耐えられるストレスには限界があります。
心が疲弊すると、元気が出にくくなります。
ネガティブな考えばかりが浮かんできて、うまく結果を出せなくなります。
自分を追い詰めてしまい、壊れてしまいます。
甘えることを否定して生きていると、いつか心がぽきっと折れてしまいます。
いわゆる「壊れる」「燃え尽きる」「立ち上がれなくなる」という状態になってしまうのです。
疲れたとき、苦しいとき、落ち込んでいるとき。
私たちは、誰かに甘えたくなるときがあります。
そんなときは素直に甘えていいのです。
強がってばかりでは、心や体が持ちません。
長い人生を生き抜くことも難しくなります。
意地っ張りと誤解され「こんなはずではなかった」ということになります。
私たち人間は、支え合いながら生きています。
物質的な支えだけではありません。
精神的な支えでもあります。
誰かに寄りかかったり寄りかかられたりしながら生きています。
ですから、たまには誰かに甘えることもあっていいのです。
甘えることは、人間らしいことです。
悪いことをしているわけでもなければ、誰かを傷つけているわけでもありません。
誰かに甘えることができるのも、強さの1つです。
見栄やプライドを捨て、素直な自分を表現することになるからです。
どうか自分を追い詰めないでください。
もちろんいつも甘えてばかりではいけませんが、たまにはいいのです。
普段頑張って生きているなら、なおさらです。
自分を優しく包んで「たまには甘えてもいいよ」と慰めましょう。
そういう甘えは、神様も許してくれます。
大人になっても甘えることがあっていい。
夫や妻になっても親になっても甘えることがあっていい。
甘えることは、私たち人間にとって欠かせない時間です。
甘える時間があるから疲れた心が癒され、エネルギーが湧いてきます。
力強く生きられるようになります。