出世したいなら、上司の言い間違いへの対応に注意してください。
上司も人間です。
勘違いや記憶違いで、うっかり言い間違えることがあります。
もちろんその言い間違いが重要なものであれば、きちんと指摘したほうがいいでしょう。
金銭や契約内容に関わる間違いであれば、放置するわけにはいきません。
放置しておくと、後からトラブルに発展しかねないため、気づいた瞬間に指摘しておくのが賢明です。
しかし「小さな言い間違い」という程度であれば、その限りではありません。
言い間違いに気づいても、スルースキルを身に付けておくことです。
たとえば、次のようなやりとりがあったとき、上司はどう感じるでしょうか。
「ビジネスと戦争は似たところがある。ビジネス戦略を考えるうえでは『孟子の兵法』が役立つ」
「いいえ、違います。孟子ではなく孫子です!」
「江戸幕府は270年も続いたではないか」
「いいえ、違います。正確には260年あまりです!」
「きちんと目標を定めて、PDFサイクルを回していこう」
「PDFサイクルなんて聞いたことがありません。PDFはファイル形式です。PDFサイクルではなくPDCAサイクルだと思います!」
人名・ことわざ・ビジネス用語など、さまざまな言い間違いがあり、上司も人間ですからちょっとした間違いがあるものです。
良かれと思って指摘すると、上司にむっとされることになるでしょう。
正しい指摘なのに反感を持たれるのは納得がいかないと思うかもしれませんが、上司も感情を持った人間です。
部下からいちいち細かい指摘をされると、いい気がしません。
上司はメンツをつぶされているような印象を受け、機嫌を損ねることにつながります。
それが結果として、出世に悪影響を及ぼします。
決定権者に嫌われたら、出世は絶望的です。
出世は、決定権者の好悪で決まるところが大きいからです。
上司の言い間違いに気づいても、それが取るに足らない小さなことであれば、スルーしましょう。
あえて指摘せず、気づかないふりで済ませます。
言い間違いがあっても、話の前後からおおよその見当がつくでしょう。
気づかないふりも、ビジネススキルの1つです。
どうしても言い間違いを指摘したいときもあるでしょう。
そんなときは、上司の機嫌を損ねないよう、ソフトな言い方を心がけてください。
とにかく上司のメンツをつぶさないことが第一です。
「私の記憶違いでしたら申し訳ないのですが、それは○○の間違いではないでしょうか」
こういう言い方であれば、上司も悪い気がしないでしょう。
素直にあなたの指摘を受け止めてくれるはずです。