「上司に意見するのはご法度」と考える人が少なくありません。
たしかに決定権者に嫌われるのは避けるべきでしょう。
ずけずけ物を言うと上司の機嫌を損ねてしまい、出世に響くのは間違いありません。
思うことがあっても、あえて上司に意見するのを控える人も多いのではないでしょうか。
しかし、ここが難しいところです。
上司に意見することなく、何でも肯定・賛成するばかりでは単なるイエスマンです。
イエスマンになると、これはこれで出世が難しくなります。
上司に迎合してばかりでは「言いなり状態」「主張をしない人間」として映り、魅力を感じません。
中身が空っぽと判断される可能性があり、出世の道が険しくなります。
上司は、自分のことを認められたいと思いつつも、きちんと意見を言える部下を求めています。
「重要なことは、臆することなく意見を言ってほしい」と思っています。
そして、そういう人を出世させたいと考えています。
決定権者に嫌われると出世は難しくなりますが、だからといってイエスマンになっても出世は難しいのです。
大切な場面では、きちんと意見を述べましょう。
「本当に大切なことだ」
「どうしても必要なことだ」
「会社のためになることだ」
そう思うことなら、勇気を出して意見を述べることも必要です。
寛大な上司であればあるほど、反対意見や自分と違う考え方にも耳を傾けてくれるはずです。
ただし、伝え方には十分注意してください。
ずけずけストレートに言うのではなく、言葉遣いには十分注意する必要があります。
上司に意見するときは、次の2つのポイントを意識してください。
上司に意見するときは、クッション言葉が必須です。
いきなり意見するのではなく、まずクッション言葉を使って、いったん上司に許可を求める形にしましょう。
「お言葉ですが、1つ意見を言ってもよろしいでしょうか」
「恐縮ですが、1つうかがってもよろしいでしょうか」
「ぶしつけではございますが、私なりの考えを述べてもよろしいでしょうか」
こうした一言から始めれば、上司としても心の準備ができます。
上司の許可を得てから発言すれば、多少厳しい意見でも納得して聞いてもらえるでしょう。
礼儀を心得ていながら、きちんと自分の意見を言える人であることをアピールできます。
上司に意見するときは「不満」ではなく「改善」として伝えましょう。
たとえば「ここに問題があります」ではなく「ここに改善の余地があると思います」という言い方をします。
「改善」というキーワードを使えば、建設的な意味合いとなるため、スムーズに聞いてもらえるでしょう。
余裕があれば、改善案もセットにするとベターです。
「ここに改善の余地があります」の後に「こうすればいかがでしょうか」という改善案とセットにしましょう。
具体的な改善案も一緒に提示されると、必要なアクションがわかりやすくなり、鋭い意見として受け入れられるでしょう。
上司の発言に反する意見であっても、言い方に注意さえすれば何も恐れることはありません。