私たちは家でも学校でも、何事も全力で取り組むように教え込まれてきました。
「全力で勉強しろ!」
「全力で取り組め!」
「全力であるのはいいことだ」と思っている人も多いのではないでしょうか。
その名残があるためか、社会で仕事をする際も全力で取り組もうとする人が少なくありません。
もちろん全力を尽くす姿勢は素晴らしいのですが、現実はなかなか思いどおりにいかないでしょう。
全力は一時的しか続きません。
人の気力や体力は有限です。
最初から全力で仕事をしていると、パワーとスピードは発揮できても、すぐ「はあはあ」とばててしまうでしょう。
短距離走のような状態になり、すぐ気力と体力を使い切ってしまいます。
息切れを起こすと、思考力も集中力も急降下。
仕事のミスや失敗も増えてしまい、リカバリーに時間がかかることになります。
最善の結果を出すどころか、普通の結果すら出せなくなります。
全力主義は、賢い処世術とは言えません。
ここ一番の勝負どころならいいのですが、普段からずっと全力で打ち込むと痛い目に遭うでしょう。
大切なことは「上手な手抜き」です。
もちろん安易な手抜きをするのではありません。
仕事をサボりたいだけの手抜きはNGです。
安易な手抜きは仕事の結果に関わります。
仕事の結果に影響しない範囲で「手の抜きどころ」を見極めてください。
手の抜きどころを押さえれば、力の加減配分をコントロールできるようになります。
「ここは仕事の重要ポイントだから、しっかり力を入れておこう」
「ここは仕事の結果に関係しないところだから、最低限で済ませよう」
上手な手抜きは、安易な手抜きとは違い、仕事の効率を高めます。
上手な手抜きができれば、限られたエネルギーで要領よく仕事をこなせるようになります。
そうすれば、安定した質で仕事の結果を出し続けることができ、長続きもします。
手の抜きどころを見つけることは、仕事の余裕を作るうえで重要なこと。
上手な手抜きができるようになれば、ストレスに強くなり、安定したパフォーマンスが長続きします。
上手な手抜きは、仕事と出世の極意です。