「年齢を重ねれば、自然と角が取れ、性格が円くなる」
そんな言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
たしかに年配者の多くは、穏やかな性格の人が多く見られます。
おっとりしていて、器量が大きく、温和な性格の方が多い。
年配者ご本人からも「若いころと比べればずいぶん性格が円くなった」「いつの間にか性格が円くなった」などの声が聞かれます。
なぜ角が取れて、性格が円くなったのでしょうか。
まず挙げられる理由は「加齢に伴う体力の低下」があります。
年齢を重ねて老いてくると体力が低下して、ちょっとしたことで疲れやすくなります。
特に怒りは、体力を奪われる感情の1つです。
感情的になると体力が奪われるため、できるだけ穏やかで過ごそうという価値観に変わります。
それが円い性格として映ることがあります。
こういう話を聞くと「年齢を重ねれば、誰でも自然と性格が円くなる」と思うかもしれません。
年齢を重ねるにつれて自然と穏やかな性格に変わっていくように感じられますが、肝心なのはここからです。
誰でも年齢を重ねるにつれて自然と性格が円くなっていくわけではありません。
現実を見てください。
年配者の多くは円い性格の方ばかりですが、ときどきそうでない人も見かけます。
依然として、角が立っている年配者も少なからず存在します。
高齢にもかかわらず、乱暴な言動が目立つ年配者を見かけることがあるでしょう。
「年齢を重ねれば、自然と角が取れ、性格が円くなる」と言いますが、実のところ半分は本当である一方、半分は嘘です。
何もしないでぼうっと年齢を重ねるだけでは、円い性格になるわけではありません。
なぜ年齢を重ねるにつれて、角が取れて、性格が円くなるのか。
大切なのは「人生経験」です。
人生では、さまざまな経験を積むことが欠かせません。
生きている時間が長いとさまざまな人生経験を通して、人や世の中のことを知ることになります。
成功と失敗、出会いと別れ、数多くの苦労や困難、世の中の移り変わり。
さまざまな人生経験を積むことで「私も過去に経験がある」「時にはこういうこともある」という場面が増えます。
人の気持ちがわかるようになったり物事に対する理解が深まったりします。
自然と角が取れ、器が広くなり、結果として円い性格になっていくのです。
年齢さえ重ねればいいわけでありません。
性格が円くなるためには、さまざまな人生経験を積みながら年齢を重ねていくことが大切です。
失敗を恐れず、どんどんアクションを起こしてください。
人生経験の数を増やすことにハズレはありません。
狭い場所で満足するのではなく、外に飛び出て、広い世界を見に行きましょう。
さまざまな人と出会い、さまざまな景色を見て、さまざまな経験を積むことです。
挫折も失敗も何もかも、すべては人生経験です。
成功だけでなく、失敗も経験しておくことです。
明るい経験や楽しい経験だけでなく、つらい経験や苦しい経験も必要です。
年齢を重ねるごとに「人生は有限」という実感が強くなり、生きているのではなく生かされていることに気づきます。
人生経験を積むにつれて、角が取れ、性格が円くなっていくのです。