どうすれば、境界線などないということに気づくことができるのでしょうか。
捨ててみればいいのです。
捨ててしまったとき、あると思っていた境界線が「あっ! ない!」ということに気づきます。
所有をやめて、捨ててしまえば、自分も他人もないことに気づきます。
境界線は、幻だったことに気づきます。
思い出の写真を持っていると、過去はあるように見えます。
しかし、写真を捨ててしまえば、実は過去はなかったのだということがわかります。
頭の中にある「記憶」が、過去の正体です。
物質として写真があるから、過去があるように見えただけ。
所有は豊かさだという夢から目が覚め、持たなくても持っていることに気づきます。
手放したとき、あなたは大きな豊かさを手に入れることができることでしょう。
手放したもの以上に、豊かなものが手に入ります。
所有欲を手放したとき、本当の豊かさが手に入ります。
人の対立や悩みのほとんどは、所有するから生まれます。
時間の節約、お金の節約、悩みからの開放、対立がなくなり喧嘩もなくなる。
所有していると、貴重な人生をひどく消費してしまいます。
たとえば、空気清浄機を例に挙げましょう。
きれいな空気を手に入れたいため、空気清浄機を手に入れます。
空気清浄機があれば、たしかにきれいな空気が手に入ります。
生活には問題ないように思えます。
しかし、電気代によりお金がかかりますし、掃除にも手間がかかり、置く場所にもスペースをとられます。
泥棒に盗まれて、悔しい思いをすることもあるでしょう。
世話がかかり、大変です。
窓を開ければ、それだけで十分にきれいな空気が手に入ります。
清浄機を持っているからきれいな空気が手に入るわけではなく、そもそも最初からあります。
窓を開ければ、それでいいことだったのです。
境界線はなく、所有することで豊かさが得られるというのは幻です。
現実では、所有することで、豊かさを失っている状態ばかり。
空気清浄機の例ばかりではありません。
テーブル、ペット、本、テレビ、冷蔵庫なども同じ話です。
もちろんすべて持つなというわけではありません。
「持つものが少ないのは、それだけでとても軽いですよ」と気づいてほしい。
喧嘩も対立も悩みも、少なくなります。
悩みが減り、苦労も減り、時間とお金の節約になります。
はたまた人生の節約にもなるでしょう。
悩みが減り、節約もできれば、本来したい仕事へ集中を向けることができます。
本当の豊かさを手に入れていくのです。
手に入れるためには、手放す必要があるという現実に気づきましょう。
手放すと、手に入れることができるという現実に気づきましょう。
世の人間たちは、所有欲という幻のために「できるだけたくさん持とう」としています。
守るものが増え、悩みが尽きず、いつも苦労をしているのです。