協調性を意識すると、流されやすくなります。
私たちは学校で協調性の大切さを教えられてきました。
「場を乱してはいけません」
「周りのみんなに合わせて行動しましょう」
「お互いに譲り合って、みんなと仲良くしましょう」
そう教わってきた人も多いのではないでしょうか。
通知表の協調性の欄に問題があれば、親から注意を受けていたでしょう。
目立つことを控え、周知と同調することをよしとされてきました。
もちろん協調性が必要な場面もありますが、常に協調性が正しいとは限りません。
協調性は大切ですが、流されない生き方をするうえでは要注意です。
協調性を意識すると、自分を押し殺すことが増えます。
自己主張に抵抗が生まれます。
主張したいことがあっても「場を乱すのではないか」という恐れが生まれ、正直な自分を出せなくなります。
周りの意見や考え方に合わせることが増えるでしょう。
我慢することが増えてストレスもたまります。
ご機嫌取りに忙しくなり、相手に迎合することが増えてしまいます。
目立たない行動を心がけることになるため、新しいチャレンジに取り組みにくくなります。
協調性を意識すればするほど、同調意識が高まって流されやすくなります。
私たちが生きる社会では、協調性が有効な場面もあり、意義があるのも事実です。
だからといって協調性に固執しないことです。
協調性も大切ですが、もっと大切なことがあります。
それが「共感性」です。
協調性と共感性を混同しないことです。
どちらも「調和を意識する」という点は同じですが、本質は似て非なるものです。
協調性と共感性の違いとは何か。
協調性に自主性・主体性はありませんが、共感性には自主性・主体性があります。
この違いを理解すれば、あなたの視野が広がります。
流されない生き方をするなら「協調性」より「共感性」です。
共感性を養って、心のコミュニケーションを実現しましょう。
相手とのコミュニケーションでは、まず共感です。
相手が楽しんでいるときは、同じ状況をイメージして、自分も同じように楽しみを感じましょう。
相手が悲しんでいるときは、相槌を打ちながら話を聞いて、相手の悲しみを理解していきましょう。
相手が悩み事を抱えて苦しんでいるときは、当事者になったつもりで複雑な気持ちの理解に努めましょう。
解決策を提示できなくてもいいのです。
話を聞くだけで十分です。
「苦しいね」「悲しいね」「大変だよね」という共感の一言で、相手は救われるでしょう。
共感性を意識すれば、おのずと優しい一言が浮かんできます。
これが「相手の心に寄り添う」ということです。
共感されると誰でも嬉しく感じるもの。
相手の気持ちを理解することは、思いやりの表現です。
相手は「気持ちをわかってくれた」と感動してくれるでしょう。
共感は主体性が保たれているので、流されることはありません。
共感性を意識すると、心のコミュニケーションが実現されます。
心の通った人間関係を築いていけるのです。