間違いやミスの多い組織では、指示が口頭レベルで行われています。
「口で述べる指示」ということです。
口で述べた言葉は目に見えません。
口頭だけの指示は、見ることも触れることもできないので、安易な扱いをされやすい傾向があります。
いつの間にか忘れていたり、誤解をしたりするものです。
また口頭だけの指示は、聞き逃したり聞き間違えたりすることがあります。
きちんと聞き取ったつもりでも、本人が聞き間違いに気づかなければ、誤った内容で仕事を進めてしまいます。
口頭レベルでは「言った」「言ってない」で喧嘩になります。
はっきり声が聞き取れず、相手に聞き直すことが増えるでしょう。
相手の声が小さかったり周りがうるさかったりするときにはよくあることです。
何度も聞き直すことになると、ちょっとしたことではありますが、それだけ相手に負担をかけることになります。
相手から「人の話を真剣に聞いていない」と、不本意な誤解を招く可能性もゼロではありません。
うっかり忘れた人間に問題があるのではありません。
人間は、そもそもうっかり忘れるようにできています。
口頭だけで指示を伝えることに問題があるのです。
間違いを減らすためにはどうするか。
指示をする際は、口頭に加えて、紙に書いて渡すようにしましょう。
声と文字で指示すれば、目と耳の両方ではっきり確認できます。
口頭による指示とは違って、聞き間違えたり聞き取れなかったりすることはありません。
紙に書けば、確実に指示内容を伝達できます。
小さな指示なら、小さなメモでいいでしょう。
わざわざプリンターで打ち出す必要はありません。
付箋やメモ用紙に手書きで書いて渡すようにすれば十分です。
大きな指示なら、A4サイズの指示書が有効です。
説明が長くなったり内容が複雑だったりするなら、指示書という形にまとめ、印刷物にして渡すといいでしょう。
紙を手渡す際は、小さなメモにせよA4サイズの指示書にせよ、直接相手の前まで行って手渡すようにしましょう。
「よろしくお願いします」という一言を添えて手渡せば、配慮が伝わって仕事が円滑に進むはずです。
文字化・文書化の手間暇がかかります。
面倒くさいと感じることもあるでしょう。
「いちいちそこまでしなくてもいいだろう」と思うこともあるかもしれません。
しかし、間違いを防ぐ効果は抜群です。
確実に間違いを防ぐなら、やって損はありません。
仕事の指示を「口頭だけの指示」から「口頭と文書の両方の指示」という方法に変えれば、組織は活性化していくのです。