10人いれば、10とおりの個性があります。
長所や短所も、人それぞれ、異なります。
身長の高い人は、怖いと言われますが、かっこいいとも言われます。
身長の低い人は、高いところに手が届きませんが「かわいい」と言われ、人との潤滑油になります。
怖い顔をしている人は、人から避けられる反面、緊張感のある会議で発言をしてもらうと、みんなに聞いてもらいやすくなります。
弱そうな顔をしている人は、いじめられやすいが、話しかけられやすい。
私の職場には、声が小さい社員がいます。
いつも、ひそひそした声で、話をします。
初めは、もっと大きい声を出してほしいとお願いしていたのですが、難しい状況があるそうです。
話を聞くと、生まれつき、喉が弱いとのことです。
「小さいころから喉が弱くて、声が小さいから先生から注意をよく受けていました」
「喉が弱いのは遺伝なんですよ。親も、喉が弱いんです」
話を聞いていると、仕方ない状況がわかりました。
私は、彼の声の大きさを変えることをやめました。
代わりに、彼の長所に目を向け、生かす形にしました。
どんな人でもそうですが、何か必ず長所があります。
それを見つけて伸ばしてもらい、仕事に生かすようにするのです。
実は彼には声が小さい代わりに「とても携帯電話に詳しい」という長所がありました。
1カ月に、なんと3回も携帯電話を変更します。
携帯電話に関する知識は、豊富です。
料金の仕組みや機能などは、携帯電話ショップの店員よりはるかに詳しくて、驚かされます。
その知識を仕事に生かすと、一転して仕事がうまく回るようになりました。
今は、誰でも携帯電話を持つ時代です。
つまり、携帯電話の知識に詳しい彼は、誰からも人気です。
できないからやめさせるのではありません。
できることを伸ばしてもらって、生かす形にすることがポイントなのです。