執筆者:水口貴博

学校では教えてくれない30のこと

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本当の力とは、無駄の塊からできている。

本当の力とは、無駄の塊からできている。 | 学校では教えてくれない30のこと

学校では、無駄なことを嫌います。

勉強もできるだけ効率よく進めようとします。

無駄な知識も、黒板に書くことはありません。

学生時代は時間が限られているため、無駄なことをしないで力をつけさせようとします。

しかし、大人になると、無駄なことのほうが、役立っていることが多いのです。

本当の力をつけさせようとするなら、無駄をどれだけたくさんこなしてきたかが勝負になります。

私は小学生のころから、漢字が好きでした。

先生に宿題を出されなくても、授業中暇があれば、漢字の練習をしたり、文字の稽古をしていたものです。

中学2年になったころの話です。

ある日「世の中にはこんな漢字もあるのか」と衝撃を受ける出来事が起こります。

今までひらがなで書いていた「ちょっと」という言葉に、実は漢字があることを知るのです。

「ちょっとだけもらう」「ちょっとだけ見る」といったときに使う「ちょっと」です。

あなたはこの言葉に、漢字があることを知っていましたか。

漢字で書けば「一寸」と書きます。

あるアドベンチャーゲームをしていたときに「ちょっと」という言葉が「一寸」と書かれていたことを機会に知りました。

私はてっきりひらがなしかないと思っていただけに、驚いたものです。

漢字の由来も調べてみると「一寸(いっすん)」という長さは、ちょっとだから「当て字」として書くようになったそうです。

次の日、友人に言いふらしたくらいです。

そのほかにも、意外な言葉に漢字があります。

夏にみんみんと鳴く「セミ」も、漢字で書くと「蝉」と書きます。

背が高く伸びる花である「ヒマワリ」も、漢字で書くと「向日葵」と書きます。

人の話を聞いて相槌あいづちを打つときに使う「なるほど」という言葉も、漢字で書けば「成る程」となります。

図書館の『歳時記』という辞典を眺め、今まで知らなかった難しい漢字を見つけ、1人で感動します。

今まで知らなかった言葉をたくさん知り、放課後の図書館で漢字を調べては、1人で「なるほど」とうなずいていました。

とはいえ、難しすぎる漢字です。

学校のテストに出ることはありません。

先生に尋ねても「難しくてわからない」と答えるような漢字ばかりです。

まったく無駄な努力をたくさんしていました。

友人は「そんなことをやっても意味がない」と侮辱されます。

しかし、私は純粋に楽しくてそうしていたのです。

漢字の不思議な世界に夢中になりました。

難しい漢字をたくさん知ることで、日本語に興味を持ち、今このように文章をたくさん書くことにつながっています。

今では難しい漢字で書くことはなかなかありませんが、昔、漢字に燃えた時期があったからこそ、今があると思っています。

無駄なことほど、本当に力になるのです。

野球の素振りも、一見無駄の塊に見えます。

ボールも飛んでこないのに、バットを振って意味があるのかと思っていました。

しかし、実際、野球界で有名な長嶋ながしま茂雄さんも、王貞治さんも、素振りこそ一番時間をかけて練習をしたといいます。

「こんなことをやって、本当に意味があるのか」

無駄とも思える努力を積み重ねて、徹底的に基礎を固めることで、揺るぎない本当の力を身につけることになります。

たくさんの無駄を経験しておかないといけないのです。

本当の力とは、たくさんの無駄の塊からできているのです。

学校では教えてくれないこと(15)
  • 無駄なことを、たくさんする。
強いからヤンキーになるのではない。
弱いからヤンキーになるのだ。

学校では教えてくれない30のこと

  1. 頭がよければ、幸せになれるわけではない。
  2. 学校では「勉強の楽しさ」を教えてくれない。
  3. 学校では、お金の勉強をさせてくれない。
  4. 「好き」を基準に選択すると、人生がうまくいく。
  5. 友人は、量より質が大切。
  6. 初めは全力でぶつかる。
    コントロールは気にしない。
  7. 失敗はしてもいい。
    失敗にくじけない人が強くなる。
  8. 会う人みんなが、先生になる。
  9. カラオケでは、音痴の人が主役になる。
  10. 難しい顔をしている人が、素晴らしいわけではない。
  11. お金を持っていれば偉いわけではない。
    お金を何に使うかが大切。
  12. レベルが高くなればなるほど、簡単なことの難しさがわかるようになる。
  13. 恋愛という科目は、学校にはない。
  14. カンニングができるようにならないと、社会ではうまくやっていけない。
  15. 本当の力とは、無駄の塊からできている。
  16. 強いからヤンキーになるのではない。
    弱いからヤンキーになるのだ。
  17. 大切なことは、勉強そのものではなく、勉強の仕方。
  18. 自分は悪くないのに、謝らなければならないこと。
  19. 親の援助は、ありがたく頂かなければいけない。
  20. 勉強は、やらされるものではなく、自分からしていくもの。
  21. 止まり方より、走り方。
  22. 成長には、後退がない。
  23. 私たちの体は、神様からの「借りもの」。
  24. 大人の喧嘩の仕方。
  25. 出る杭を、打ってはいけない。
  26. 社会では、矛盾が当たり前。
  27. 三日坊主をしないと、才能を見つけられない。
  28. 金銭感覚の勉強。
  29. 土壇場。
  30. 夢は、自動的に叶うものではない。

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