学校では「国語」「算数」「理科」「社会」という科目はあっても「恋愛」という科目はありません。
恋愛は、人間なら誰しも経験する大切なことであるにもかかわらず、学校では積極的にそのノウハウを教えようとしません。
男性が女性に話しかける上手な方法や、女性がよい男性を見分けるコツなどは、誰もが必要としている知識です。
にもかかわらず、先生はその話題に触れようとしないのです。
私は、思春期である中学生のころ、恋愛が最も興味のある科目でした。
黒板で行われている国語の授業より、隣の席に座っている女の子のほうが気になり、授業に集中ができなかったくらいです。
国語より、恋愛に興味があったということです。
恋愛は学校で教えてくれませんから、自分から学びにいくしかありません。
友人の話を聞いたり、本を読んだりすることで「恋愛とはこういうものだ」と学んでいきました。
国語や算数の勉強は頭に入ってきませんでしたが、恋愛の話には不思議なことに集中ができ、頭に入ってくるようになります。
そんな中学時代のある日のこと、ある1人の女の子が、私に告白してきたことがありました。
これが、まったく意外な人だったのです。
恋愛は、気になる人は話しかけてこない一方、気にもしなかった人が話しかけてくるものです。
驚いて、あたふたした自分を、今思い出しても恥ずかしい。
友人からの話も、本に書いてあることも、何の参考にもならなかったことを覚えています。
「実際の恋愛は、やはり違うな」
そう思ったのが、当時の感想でした。
恋愛は、頭で学ぶことではありません。
実際に自分が体験してみないとわからないことばかりです。
思ったよりうまくいかなくて、本当の恋愛です。
漫画やドラマでは、最後は必ずハッピーエンドで終わります。
ですが、現実の恋愛はといえば、必ずしもハッピーとは限りません。
たいていは「うまくいっていない恋愛」がほとんどだったりするのです。
中学生のころ、自分が初めて実際の恋愛を経験し、案の定うまくいかず、本当の恋愛を知ったのでした。