一瞬、指を止めて、書くことをやめようかと思った。
「触れてはいけないテーマに、触れることになるな……。でも書きたい……」
今回は、大変深い内容のお話をしたいと思います。
あなたが生まれてきた理由は何でしょうか。
あらかじめ理由があって、あなたはこの世に誕生してきたのでしょうか。
神様は、あなただけに、特別に理由を与えて、この世に生まれてきたのでしょうか。
中国、孔子の有名な一言に次のような言葉があります。
「朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり(あしたに、みちをきかば、ゆうべにしすともかなり)」
「朝に自分の生きる目的がわかれば、夕方に死んでもいい」という意味です。
「私は何のために生まれてきたのか」
「私が生まれてきたのは、何か理由があるはずだ」
「生まれてきた理由があるに違いない」
生まれてきた理由はありません。
しかし、自分の特性を見つけ、従う生き方はできます。
特性を生かす生き方が、最も自然であり、自分を最大限に生かす生き方です。
生きる目的を与えられず生きてきました。
ただ、生まれてきました。
そうした前提がありながらも、生まれもってすでに持っていることがあります。
私が今、死んでも、地球は今と変わらず自転しているでしょう。
私が死ぬことで、地球の自転が止まることはあり得ません。
そんな地球すら、今突然なくなっても、太陽系全体から見れば、大したことではありません。
「人は、神の子である」
「人は、神の分身である」
世界のさまざまな宗教には「人間は神様の分身」という意味をつづった言葉をよく耳にします。
自分を好きになり、恵まれている自分に気づくということです。
偉大なる宇宙から生まれた子どもですから、自分も宇宙の一部です。
自分がなぜ今ここにいるのかということを考え、親のおかげ、地球のおかげ、宇宙のおかげだという真実に気づくのです。
「私は、人を好きになるのが下手なんです」
以前に、こうした相談を受けたことがありました。
色白で、サラッとした髪の長い、見た目はかわいい女性でした。
昔の人は、人の死を別の表現で、こう言いました。
「土に還る」
「還る」という言葉は、もともとあった場所に戻すという意味です。
私たちは宇宙から生まれた、ということがわかりました。
では、どのような生き方が最も自然な生き方かといえば、宇宙の流れに従った生き方です。
川の流れの中で生きているのですから、川の流れに従って生きることが「もっともらしい生き方」です。
宿命と運命は、響きが似ており、似ている意味として思いがちです。
この2つの言葉を、同じような意味として考えている人が多いようです。
しかし、この2つの言葉には大きな違いがあります。
宇宙の流れに従って生きるとは「宿命」と「運命」を両方生かして生きるということです。
必ず宿命が先に来て、宿命に従って運命を動かすという順番です。
宿命はあらかじめ決められている人生であり、運命は自分で決めることができる人生です。
あなたの宿命は何ですか。
男性ですか、女性ですか。
長男ですか、次男ですか、三男ですか。
川の流れに逆らって泳ごうとすると、どうなるでしょうか。
頑張って泳いでも、なかなか前に進まず、とても疲れます。
気を抜けば、すぐ流れに押し戻されます。
生きている間、どのような存在を手本にして、生きていけばいいのでしょうか。
どのような生き方が、一番好ましいのでしょうか。
この回答には、1つの代表的な手本があります。
生きている間に、私たち人間は、大きな目的を与えられず生きてきました。
とはいえ、目的を与えられていないだけで、実は共通の目指すべき方向はあります。
それが「個と全体の一体化」です。
「ご縁を大切にしなさい」
私のおじいちゃんが生きていたころ、よく口にしていた言葉です。
まだ幼かった私は、その意味がよくわかりませんでしたが、今はその意味が理解できるようになりました。
神社にお参りをすれば、運がよくなる。
お守りを持っていれば、神様が守ってくれる。
占いのとおりにすれば、うまくいく。
「性格を変えたい!」
こうした悩みを抱いたことは、私だけではないはずです。
私も昔、自分の性格を変えようと必死になったことがあります。
「好きなことを探す」
「好きなことを見つける」
好きなことを見つけるのは、難しいことだと思っていませんか。
神様は、直接的にはあなたに力を貸しません。
神様は常に、間接的にあなたに語りかけてきます。
病気になれば「生活を見直しなさい」という神様からの警告です。
転んで、膝を擦りむいても、しばらくすれば皮膚が再生し、やがて元どおりになります。
体は出血を抑えるためにかさぶたを作り、細胞分裂を繰り返して、皮膚を再生させます。
自然治癒力は、体にもともと備わっている「元に戻ろうとする力」の1つです。
仏教には「類魂」という言葉があります。
英語では「グループ・ソウル(Group Soul)」といいます。
「すべての魂は、ばらばらではなく、1つである」という意味です。
「やる気が出ないなあ……」
誰もが経験する、ごく普通の気持ちですが、私の場合はこの感情を見逃しません。
やる気が出ないのは、必ず何かの理由があるからです。
神様にお願いばかりではいけません。
自分の力に頼ろうとせず、神様だけを頼りにするのは問題です。
実は、神様に頼らなくても、簡単に問題が解決する方法があります。
生きている時間は、無限ではありません。
有限です。
若いころは、今の状態が永遠に続くような気がします。
逆説的に思えますが、不自由な人、不幸な人ほど、幸せになれるチャンスを持っています。
「幸せに気づくチャンスがある」と言ってもいいでしょう。
障害を持っている人は、幸せに気づくセンサーが敏感になっているからです。
時計は、大変な芸術作品です。
時計の針が動いているその裏では、たくさんの歯車が回っていることをご存じですか。
数え切れないほどのたくさんの歯車同士が組み合わさり、お互いに影響を与えながら、1分1秒を正確に刻んでいます。