執筆者:水口貴博

学校では教えてくれない30のこと

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土壇場。

土壇場。 | 学校では教えてくれない30のこと

土壇場を経験している数によって、いざというときに強くなります。

急に起こる出来事に強くなり、冷静さを失わず、対処できるようになります。

もちろん計画的な出来事では、焦りは経験できません。

学校でも教えてくれませんし、家庭内でさえ、思うように経験させることができないことです。

土壇場は、チャンスがあるときに、徹底して経験しておくことが必要です。

私は今まで、土壇場を何度か経験したことがあります。

  • 火事を経験する
  • 泥棒に入られ、部屋を荒らされる
  • 金品目当てに、突然襲われる
  • タクシーで法外な金額を請求される
  • 訪問販売に引っかかり、ローンを背負う
  • 海外で入院する

特に火事は、過去に3回も経験したことがあります。

20代半ばにして、火事を3回も経験したことがあるのは珍しいことです。

留学時代、私はホテル暮らしをしていました。

そのホテルは、留学生を専門で扱う格安ホテルであり、世界各国からの留学生たちがたくさん暮らしていました。

語学学校と契約しているため、通常のホテル料金より安いとのことです。

そんなある日、深夜の2時ごろでした。

私は勉強で、まだ起きていたときのことです。

なんか、焦げ臭いのです。

もともと安いホテルだし、マナーの悪い人がたくさん住んでいます。

誰かが深夜に、料理でもしているのかと思っていました。

突然「リリリ」と、ベルが鳴り始めました。

夜中にマナーの悪い人が、廊下で何かやっているのかと思い、初めは無視していました。

「おいおい、気づけよ」と突っ込まれそうですが、海外での生活は何でもありです。

ホテル内も世界各国からの留学生がいたため、文化が入り交じっている状態です。

夜中に変な音がしたり、おかしなにおいがしたりすることは、当たり前によくあることでした。

そんな現象に私も慣れ、焦げ臭いにおいにも、うるさいベルの音にも「またか」と普通の顔をして、無視をしていたのです。

それが5分くらい経ったことでしょうか。

うるさいベルの音が、なかなか鳴りやまないのです。

「おいおい、さすがに止めてくれよ。誰だよ」

そう思って、私が部屋の扉を開けて廊下に出た瞬間、すべてが理解できたのです。

はっきりした「何かが燃えているにおい」と「白い煙」が廊下に立ち込めている様子から「火事だ」と理解したのです。

まもなくして、同じことを考えていたのでしょう。

ほかの部屋の住人も「おいおい、さすがに止めてくれよ。誰だよ」と思いながら廊下に顔を出し、同じことを理解したのです。

今まで話したこともなかったお隣さんとも、これが機会で知り合い、友人になりました。

火事がきっかけで、できた友人です。

次にホテルの外では、消防車のサイレンが鳴り始めました。

1台だけかと思っていると、ホテルの周りを、なんと20台もの消防車が囲んでいます。

「短い人生だったけど、楽しかった」

私は一瞬、自分はもうダメになるのではないかと考えてしまいました。

私は5階の部屋に住んでいましたから、すぐ階段を使って、ホテルの1階へ降ります。

ところが下へ降りるほど、煙が濃くなり、呼吸がしづらくなります。

なんと発火場所は、1階だったのです。

1階にはフリールームと呼ばれるゲーム機やソファー、大きなテレビが置いてある部屋がありました。

そこが発火場所だったのです。

私が外に出ると、すでに100人を超える住人たちが避難していました。

日本人、韓国人、中国人、ベトナム人など、さまざまな顔ぶれが、英語という共通語を通して、火事について話しています。

パジャマ姿の人もいれば、はだしの人もいます。

みんな必死に逃げたようです。

消防車が20台もやってきて消火活動を行えば、さすがに火は消えます。

1時間もすれば火事は収まり、そろそろまた眠気が襲ってくる時間です。

火も消え、眠気に負けた住人たちが、焼けたホテルに戻り、また寝始めます。

燃えたホテルに戻るということも、おかしな話です。

その日は無事に火事が収まりましたが、実は続きがあります。

2日後、また同じことが起こります。

同じホテルで火事があり、今度は2階の部屋が発火元です。

驚いたことにその部屋は誰も住んでおらず、鍵もかかっていた部屋でした。

明らかにおかしいのです。

住んでいた日本人留学生の間で、ある噂が広がり始めました。

「放火」です。

「鍵がかかっている誰もいない部屋から火が出るのは、明らかにおかしい。

ホテルに対して恨みを持った人間が嫌がらせでやっているに違いない」。

そんな話が広がり始めたのです。

2回目ですから火事が起こりベルは鳴っても、冷静に対処しています。

2回目の火事も収まりますが、さらに続きがあります。

次の日、またベルが鳴り始めたのです。

3回目の火事です。

1週間に3回も火事を経験するのは、珍しい。

さすがに3回目となると避難も面倒になり、みんな避難をしようとしません。

「もういいよ。勘弁してくれ」と思っているようで、部屋から出ようとさえしません。

人間は、慣れてしまうと恐ろしいものです。

友人の部屋に行き「避難しないの」と誘ったくらいです。

私も、3回目の火事になると、落ち着いていたものです。

焦りもありません。

しっかり手には財布を握り、ゆっくりホテルから避難します。

やはり今回の火事は、放火が原因とのことで、犯人も捕まったようです。

日本にいる友人に今回のことをメールで報告すると「君は珍しい経験をしたよ」と言われてしまったのでした。

学校では教えてくれないこと(29)
  • 土壇場に、慣れておく。
夢は、自動的に叶うものではない。

学校では教えてくれない30のこと

  1. 頭がよければ、幸せになれるわけではない。
  2. 学校では「勉強の楽しさ」を教えてくれない。
  3. 学校では、お金の勉強をさせてくれない。
  4. 「好き」を基準に選択すると、人生がうまくいく。
  5. 友人は、量より質が大切。
  6. 初めは全力でぶつかる。
    コントロールは気にしない。
  7. 失敗はしてもいい。
    失敗にくじけない人が強くなる。
  8. 会う人みんなが、先生になる。
  9. カラオケでは、音痴の人が主役になる。
  10. 難しい顔をしている人が、素晴らしいわけではない。
  11. お金を持っていれば偉いわけではない。
    お金を何に使うかが大切。
  12. レベルが高くなればなるほど、簡単なことの難しさがわかるようになる。
  13. 恋愛という科目は、学校にはない。
  14. カンニングができるようにならないと、社会ではうまくやっていけない。
  15. 本当の力とは、無駄の塊からできている。
  16. 強いからヤンキーになるのではない。
    弱いからヤンキーになるのだ。
  17. 大切なことは、勉強そのものではなく、勉強の仕方。
  18. 自分は悪くないのに、謝らなければならないこと。
  19. 親の援助は、ありがたく頂かなければいけない。
  20. 勉強は、やらされるものではなく、自分からしていくもの。
  21. 止まり方より、走り方。
  22. 成長には、後退がない。
  23. 私たちの体は、神様からの「借りもの」。
  24. 大人の喧嘩の仕方。
  25. 出る杭を、打ってはいけない。
  26. 社会では、矛盾が当たり前。
  27. 三日坊主をしないと、才能を見つけられない。
  28. 金銭感覚の勉強。
  29. 土壇場。
  30. 夢は、自動的に叶うものではない。

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