おそらく今、これを読んでいる人は「失恋」を経験中の人ではないでしょうか。
あるいは、失恋に恐れを抱いている人や、関心を持っている人ではないでしょうか。
人との関係は、出会いから始まり、別れによって関係が切れます。
恋愛でも同じように、出会いがあれば、最後には必ず別れという終着駅があります。
私が生まれて初めて経験した失恋は、14歳のときでした。
当時は恋愛そのものが初めてだったため、まったくわからない状態でした。
付き合うことは、一緒にいることなのか、相思相愛の状態なのか、キスをする関係なのか、肉体関係を持っている状態なのか。
初めて恋愛をする私は、すべてが初体験だっただけに、簡単なことすらわかっていない状態でした。
中学2年のころ、初めて告白した人と付き合うことになり、初のお付き合いを経験することになります。
念願の相思相愛というわけです。
初めての片思いが両思いへとつながった、数少ない成功でした。
ですが、ここからがまた苦悩の始まりでもありました。
付き合っているからには何とかして相手を楽しませたいと自分なりに考えます。
たわいない話をしてみたり、本やCDを貸してあげたり、一緒に帰ろうと誘ったりなどしていました。
振り返ってみると、私なりにいろいろなことにトライしていました。
ですが、付き合い始めて3カ月もしたころ、私がほかの女の子に興味を持ち始めてしまいました。
同時に、付き合っている人への配慮が小さくなり始めました。
私の気持ちが小さくなったことが、相手にも伝わったのでしょう。
だんだん会話もなくなり、会うことも少なくなりました。
私の初めての失恋は「自然消滅」という形によって、いつの間にか終わってしまいました。
後になり、失恋という痛みを少しずつ感じます。
失った直後は、痛みがわかりませんでしたが、後になってから痛みが出てくる感じです。
健康や友人、家族でもそうですが、往々にして失ってからその大切さに気づくのです。
悔しさ、妬み、つらさ、恥ずかしさ、後悔などといった失恋独特の精神的な苦痛も、そのときに初めて味わうことになったのです。
自分がいけないということはわかっていましたが、その気持ちの整理にも時間がかかったことを覚えています。
自分の行動を振り返り、どこが悪かったのかといろいろ考えてみましたが、あるときふと「当たり前の事実」に気づくのです。
「失恋は来ないわけではなかった。初めから、いつかは来る予定だった」。
付き合ってはいましたが、結婚は考えていませんでした。
好きという気持ちのままに、右も左もわからずに付き合っていました。
いずれにせよ結婚までは考えていませんでしたし、そこまでいくつもりもありませんでした。
とすれば、当然のことですが結婚をしないかぎり、お付き合いには必ず「別れ」という終わりがあるのです。
恋は盲目といいますが、当たり前の事実に気づくきっかけになりました。
当時の私を振り返り、いろいろとうまくいったであろうシチュエーションを思い浮かべます。
ですがどんな形であろうと、いずれにせよ当時の恋は必ず終わりを迎えることになったことでしょう。
付き合いの期間に、長短の差はあれ、やはり最後は「別れ」が待ち受けているのです。
恋の終わりには、以下のようなさまざまな理由があります。
いずれの理由にしろ、やはり最後は別れという終わりがあるのです。
自分を振り返って「同じ失敗を繰り返さない方法」をいろいろ考えてみました。
結婚でもしないかぎり、最後は「別れ」という現実に行き着くという当たり前の事実に気づくのでした。
今、あなたが直面している失恋にも当てはめてみましょう。
原因がきっとありますよね。
では、その原因を直せば、もう少し長続きをしたことでしょう。
しかし、そうすれば、また別の原因により別れの危機を迎えることでしょう。
どうしてもうまくいかせたければ結婚に踏み切ることです。
結婚をしないかぎり、必ずお付き合いには別れという現実が、いつかは必ずやってくるのです。
人間は生きている間、自分の人生は永遠に続くという錯覚を持ちますが、必ず最後は死という終わりがきます。
これは曲げようのない絶対的な事実ですが、ほとんどの人が受け入れたくないがために、目を背けます。
同じく恋愛も始まりがあれば、当然終わりもあるものなのです。
恋愛中は幸せの真っ最中ですから、別れがいつか来ることなど考えたこともなければ考えたくもないものです。
考えたくなかったから、今まで考えなかっただけであって、現実として必ずやってくるものです。
相手のことが好きという気持ちにばかり気持ちが向いていますが、どういう形であろうと、いずれにせよ終わりが来るものです。
あなたは失恋をした今、その当たり前の現実にようやく気づき、ちょっと驚いているだけです。
あなたに限らず、みな経験していることです。
来ないわけではなかったのです。
初めから、いつかは来る予定だったのです。