私が今まで失恋をしたどの経験も、壊れた恋の直後は、やはり気持ちが落ち込みました。
特に振られたときの気持ちの落ち込みは、言葉を使って表現しきれないほどの複雑な感情が、同時に入り乱れます。
中学生だった14歳の私は、初めて失恋なるものを経験します。
いえ、体感すると言ったほうがいいかもしれません。
好きな人から振られると、頭の中がいろいろな感情によってぐちゃぐちゃになり、自制心を失います。
しかも、肌が荒れたり、鳥肌が立ったりと、変な症状が出たものです。
勉強への意欲はなくなり「なぜ?」と念仏のように何度も繰り返し自分に問いかけていました。
このときに私を救ってくれた存在は「時間」でした。
時間があったからこそ、頭の中を整理する余裕ができ、気持ちを整えるゆとりを与えてくれます。
時間の存在があるからこそ恋愛だけでなく、失恋も立ち直る道のりを手に入れることができます。
あらためて考えてみると、時間は、すべての人が持っている差別のない存在です。
時間を与えられていない人など、この世には1人も存在しません。
老若男女、貧富の差も関係ありません。
赤ちゃんも1日は24時間。
大金持ちの大社長も、1日は24時間。
アメリカ大統領も、1日24時間であることには変わりはないのです。
時間こそ、すべての人に共通する守護神ではないですか!
昼も夜も、どんなにつらい時期でも、見放すことなくいつもそばにいて見守ってくれるこれほど心強い守護神はいないのです。
振り返れば、失恋だけでなく、叱られて落ち込んだときや、いらいらしたときなど、数々の困難を時間によって救われてきました。
時間があるからこそ明日を迎えることができ、明日になればまた新しい一歩を踏み出す元気と余裕を手に入れることができます。
時間があるゆえにです。
絶望感に浸っているときほど友人からの励ましも素通りであり、行動に対する意欲も何もありません。
しかし、不思議なことに、時間が経てば、ゆっくりではありますが、回復していくのです。
「明日は明日の風が吹く」という言葉のとおり、日を追うごとにゆっくり立ち直っていく自分に出会えるのです。