「使い切ることがないもの」と聞いたとき、何を思い浮かべるでしょうか。
鉛筆でしょうか。
たしかに鉛筆は、意外と使い切ることは少ないものです。
鉛筆が短すぎると持てません。
たいていは使い切る前に、新しいものに取り換えることが多いでしょう。
短くなった鉛筆は、使い切る前に処分することが多いものです。
料理で使うスパイスでしょうか。
スーパーの食品売り場で「いいな」と思って買ったスパイスがあるでしょう。
スパイスには独特の刺激があり、料理に深みを与えてくれますが、なんだかんだで意外と最後まで使い切ることはありません。
気がつくと、消費期限を過ぎていて、処分することになるのです。
日焼け止めでしょうか。
日差しが強い夏場、紫外線対策には欠かせないアイテムですね。
買ったときは使いますが、意外と最後まで使い切ることはありません。
外に出る機会が少ないと、なかなか量が減りません。
一般的に日焼け止めの使用期限は、開封後1年です。
来年の夏には使用期限を過ぎていて、古い日焼け止めを使い切ることがないまま、新しい日焼け止めを買うことになるのです。
使い切ることがないものはいろいろ浮かびますが、ここからが本題です。
実はもっと身近なところに使い切れないものがあります。
それは、使い切ろうにも使い切れません。
一生かかっても使い切れないものです。
「脳」なのです。
人類史上、脳を使い切った人はいまだ1人もいません。
私たちは、脳を使うことはあっても、使い切ることはありません。
むしろたっぷり使い余しています。
私たちの脳は、使っている部分より使っていない部分のほうが多いといわれています。
誰もがみな、脳を使い切ることがないまま、人生を終えます。
だから、思う存分、脳を使いましょう。
限界を気にせず、使って使って使いまくるのです。
勉強をしているとき「覚えることがあって頭がパンクしそう」と思うことがあるかもしれません。
残念ながら、それは気のせいです。
いくらたくさん覚えても、大丈夫です。
脳の記憶容量はとてつもなく膨大なので、いくら覚えてもいっぱいになることはありません。
「まだまだ頭に入る」「必ず覚えられる」と信じて、どんどん覚えていきましょう。
「思考力をしっかり鍛えた」「発想力を100パーセント鍛えた」「想像力を限界まで鍛えた」と思うことがあるかもしれません。
残念ながら、それも気のせいです。
思考力も発想力も想像力も、限界はありません。
限界まで鍛えたと思っても、可能性はたっぷり残されています。
実際はまだまだ伸びしろはたっぷりあって、いくらでも伸ばしていくことが可能です。
そこで終わりにするのではなく、どんどん鍛えていきましょう。
私たちは、まだまだ脳を使い切れていません。
脳は「小宇宙(ミクロコスモス)」とも呼ばれています。
脳は宇宙のように果てしなく広大で、無限の可能性が秘められています。
一生かかっても使い切れないのですから、遠慮せず、どんどん使っていきましょう。
脳は事実上、無制限であり、使い放題と思って差し支えありません。
脳を使いすぎたら壊れるのではないかと思うかもしれませんが、心配には及びません。
むしろ逆です。
脳は、使えば使うほど、働きが良くなります。
脳内の神経細胞同士のつながりが密になり、脳のネットワークが高度になります。
脳の海馬では、神経細胞が増えることが確認されています。
海馬は記憶をつかさどるところであり、特に短期記憶と密接な関わりを持っています。
いくら使っても、脳は使い切れません。
脳は、素晴らしい可能性が秘められています。
小宇宙ともいえる脳の無限の可能性を信じて、どんどん頭を使ってください。
脳には限界がないのです。