周防正行監督による『Shall we ダンス?』という映画あります。
主人公の男性・杉山正平は、真面目な中年サラリーマンです。
夜遅くまで飲み歩くこともなく、特にこれといった趣味もなく、毎日自宅と会社の往復でした。
庭付きの一戸建てマイホームを買い、仕事も家庭も何も不満はないはずでしたが、心では何か物足りないものを感じていました。
そんなある日のことです。
会社の帰り、電車の窓から外を眺めていると、小さなダンス教室が目に入りました。
その教室の窓辺には、1人の美しい女性が物憂げにたたずんでいます。
「見学自由」という文字も見えます。
気になる気持ちを抑えきれなくなった杉山は、数日後、思い切ってその教室に足を運びます。
窓辺にたたずんでいた女性は、その社交ダンス教室の講師でした。
見学を済ませた後、興味を確信した杉山は、家族には内緒で入会することを決めます。
そこから杉山は社交ダンスの世界にのめり込んでいき、新しい日常が切り開けていくというストーリーです。
きっかけは電車の窓から目にした一瞬ですが、気になるだけで終わりにせず、きちんと教室まで足を運んだことが素晴らしい。
この映画のように、ある日あなたは、興味を引かれる教室を見つけるかもしれません。
「面白そうだなあ」と思ったら、ゴーサインです。
『Shall we ダンス?』の杉山のように、気になる教室を見つけたら、さっそく足を運んでみましょう。
たいていの教室では、見学・体験を随時受け付けています。
気軽に足を運んでも大丈夫です。
「心の準備ができていない」と尻込みする人もいるでしょう。
心の準備は必要ありません。
むしろ心の準備はないほうがいいのです。
考えすぎると、余計な不安が芽生えてしまい、純粋な気持ちが見えにくくなります。
大切なのは、ノリと勢いです。
パンジージャンプをするかのように、思い切って「えいっ」といけばいい。
「かっこいい男性がいるから」「かわいい女性がいるから」という動機でもいいのです。
始める動機は何であれ、きちんと行動に移すことが大切です。
「次の予定があるから無理」という人もいるでしょう。
次の予定をキャンセルすればいいことです。
小さな予定なら、キャンセルしたり後ろにずらしたりできるはずです。
難しいことは考えません。
心がぴんと反応した瞬間を見逃さないことです。
「何か気になる。引きつけられる」を思ったら、すぐ動き始めましょう。
すぐ足を運んでください。
すぐ買ってください。
すぐ申し込んでください。
人生の新しいストーリーが始まるのです。