美術館に入ると、どうしてあれほど澄み切った気持ちになるのでしょう。
美術館は、大きな宝石箱だからです。
美術館の中は、外と違った空気が流れています。
美術鑑賞はどこから始まるのでしょうか。
「見たいな」と思う展覧会を見つけることから始まります。
見たい展覧会であれば、それだけ集中しやすくなります。
「いちいち美術館に行かなくても、ネットで見たら十分じゃないか」と言う人がいます。
たしかに作品の様子を確認するだけなら、ネットは便利です。
作品を鑑賞することも、詳しい説明を読むこともできます。
「美術館は私なんかが行くところではない」という人がいます。
「美術の知識はゼロ」
「美術のことは全然わからない」
展覧会に足を運ぶ際は、できれば予習をしておきましょう。
学校の授業でも予習が大切であるように、美術鑑賞でも予習が大切です。
必須ではありませんが、余裕があればして、おいたほうが良いことです。
美術館に行くなら、できるだけ平日がおすすめです。
休日や祝日は混雑が予想されます。
ゆっくり鑑賞したくても、混み合っている中では難しいことがあるでしょう。
美術館は意外と体力を使う場所です。
館内を歩き回るうえ、ずっと立ち続けていると、それだけ足が疲れます。
展覧会の規模によっては、長時間の鑑賞となることもあります。
劇場や美術館に到着したとき「もったいない」と思うことがあります。
「早く中に入りたい!」という気持ちがあるためでしょうか。
来場客の多くは入り口に向かってそそくさ歩き、館内に入ります。
美術鑑賞では、なかなか絵を理解できなくて苦しむことがあります。
「なんだかよくわからない」
「迫力はあるけど、評価ポイントはどこ?」
美術鑑賞中は、マナーモードにしましょう。
できれば機内モードにすることをおすすめします。
ちょっとした音であっても、ほかのお客さんの迷惑にもなります。
家族や友人と美術館に足を運ぶことがあるでしょう。
1人で鑑賞するのもいいですが、親しい人と一緒に美術鑑賞するのもいいものです。
そんなとき注意したいのは「話し声」です。
美術館では、撮影OKと撮影禁止の作品が混在していることがあります。
展示エリアで分かれていることもあれば、同じ展示エリアでも、作品ごとに撮影OKと禁止が分かれていることもあります。
撮影OKの作品は、もちろん撮影ができます。
美術館での美術鑑賞に欠かせないのは、解説パネルです。
美術品の脇にあって、作品名・制作年・制作意図など詳しい情報が記載されています。
美術品だけではどんな内容の作品なのか把握できないことがあります。
美術館では、どのように美術鑑賞をしていけばいいのでしょうか。
もちろん鑑賞法に決まりがあるわけではありません。
個人が自由に鑑賞すればいいのですが、基本の鑑賞ステップがあります。
あなたはある日、美術館へ訪れた。
たくさんの絵が飾られている。
数多くの作品があって、すべてを鑑賞するのに時間がかかりそう。
美術館は、体力が必要です。
足も疲れ、時間もかかります。
入館料も支払い、わざわざ美術館まで足を運んでいることもあります。
美術鑑賞が趣味という人も多いでしょう。
美術館でありがちなのは、至近距離でじろじろ見ることです。
わざわざ美術館まで足を運びました。
美術鑑賞をより深く味わうためにはどうすればいいのでしょうか。
作品リストを活用した、美術鑑賞の楽しみ方があるのでご紹介します。
美術館では、展覧会の入り口すぐのところに作品リストが置いてあります。
美術鑑賞がより面白くなる視点があります。
「家に飾るならどれにするか」という視点です。
人は、自分に関係することとなると、気持ちが入ります。
展示会場に着席スペースがあるなら、チャンスです。
席が空いているなら、無理をせず座りましょう。
「まだ疲れていない」「体力は十分余裕がある」と思うかもしれませんが、油断は禁物です。
近くで鑑賞したくても、難しい場合があります。
作品によっては、床にラインが引かれていて、その外側から鑑賞することになります。
ラインの内側に入ってはいけないというルールがあります。
美術館で美術品を見るとき「美術品」だけなく「制作年」に注目してください。
制作年は、解説パネルを見ればすぐわかります。
「へえ、この時代、この年代に作られたものなのか」
作品についてわからないことがあって、近くにいるスタッフに質問する人がいます。
絵の詳しい説明を求めたり、解説の不明点を質問したりです。
美術鑑賞をしていると、ふと作品について疑問点が浮かぶものです。
「この画家についてもっと深く知りたい」
「この作品についてもっと深く知りたい」
美術鑑賞をしていると、興味をひかれる画家や作品を見つけることがあるでしょう。
忘れがちなのは「常設展」です。
常設展とは、期間を設けず、いつでも見られる展示のことをいいます。
「企画展にはよく行くけど、常設展はほとんど行かない」という人も多いのではないでしょうか。
常設展や企画展では、ガイドツアーが開催されていることがあります。
ガイドツアーでは学芸員が担当し、それぞれの作品について詳しく解説してくれます。
参加費は、入館料のみで、無料が一般的です。
美術の楽しみを増やす、2つの視点があります。
「このエリアで一番気に入った作品はどれか」「今回の美術展で一番気に入った作品はどれか」です。
美術展では、エリアに分かれています。
美術展は、作品を鑑賞して終わりではありません。
美術展の最後にあるのは、ミュージアムショップです。
たいてい出口付近にあって、その企画展の関連グッズがずらりと並んでいます。
気に入った展覧会は、図録の購入がおすすめです。
図録とは、わかりやすく言うと「展覧会公式の解説付きのカタログ」です。
大きくて、分厚くて、重量もあります。
美術鑑賞は、1回で十分とは限りません。
「感動した。素晴らしい展覧会だった。もう一度鑑賞しに行きたい」と思うことがあるかもしれません。
そんなときは、もう一度足を運んでみてはいかがでしょうか。