私は数学のテスト中、不思議な体験をしたことがあります。
難しい問題に行き詰まって、途方に暮れていました。
どんな公式を使って、どう進めていいのかわからず、もんもんとしていました。
頭から湯気が出ていたかもしれません。
「ダメだ。全然わからない……」
いくら考えてもわからず頭が疲れたので、何の気なしに、ふと、窓の外の風景を眺めました。
「今日は天気がいいな」
「鳥が飛んでいる」
「空気が澄んで遠くまで見えるぞ」
もう無理だと諦め、なかばテストをサボっていました。
しばらく経ってから問題を見直すと、奇妙な出来事に遭遇しました。
さっきまでいくら考えてもわからなかった問題の解き方が、ぱっと思い浮かびました。
次の瞬間、すらすら問題を解いている自分がいました。
なぜこうしたことが起こるのでしょうか。
テストに集中しすぎているために起こる弊害です。
テスト中は、問題に集中します。
集中とは一点を見つめることです。
一点に集中するからこそ、問題を解く力も最大限に発揮できますが、逆のケースもあります。
一点に集中するからこそ、視野が狭くなり、頭が固くなることもあります。
本来、わかるはずの問題がわからなくなってしまいます。
集中には、一長一短があるということです。
集中しているにもかかわらず行き詰まったときには、ふと外の風景を眺めてぼうっとすれば、調子が変わります。
脳をリフレッシュさせる効果があり、緊張が緩みます。
頭が柔らかくなったり、視野が広くなったりして、違った角度から考えられるようになり、正解が思い浮かぶことがあります。
そういう経験を、実は何度もしたことがあります。
あなたも、ぜひ試してみましょう。
テスト中、解けない問題に当たって途方に暮れたとき、ふと窓の外の風景を見て、ぼうっとしましょう。
もちろん必ず効果があるわけではありませんが、突破口を見いだす可能性はあります。
その何でもないぼうっとした時間に助けられることがあるのです。