親切をしたとき、普通は相手から感謝の言葉があります。
「ありがとうございます」という言葉があれば「喜んでもらえた」「親切をして良かった」と思うものですね。
ところが親切をしても、感謝の言葉も何もない、というケースがあります。
無言だったり、ノーリアクションだったりです。
なぜ感謝の言葉がないか。
理由は、大きく2つのケースが考えられます。
いずれのケースも、相手の態度や表情に注目することが欠かせません。
親切をすれば、何でも喜んでくれるとは限りません。
素っ気ない態度だったり、眉間にしわを寄せたりしているなら、余計なお節介だった可能性があります。
相手が「ありがた迷惑です」「余計なお節介です」とはっきり言ってくれるとは限りません。
困っている様子があるなら、余計なお節介だった可能性があると判断できます。
いつのまにか押しつけがましい親切になっているのかもしれません。
残念ですが、そういうときもあります。
親切は、相手の立場を想像し、相手がしてほしいことをするのが基本ですが、失敗することも多々あるもの。
態度や表情から喜んでいない様子がうかがえるなら、今後同じことをするのは控えるのがよいでしょう。
2つ目のケースとしては「感謝の言葉を口にするのが苦手」というケースもあります。
たとえば、シャイな性格で口に出して言えないというケースです。
相手は心の中で感謝はしていても、コミュ障だったり恥ずかしがり屋だったりなど、うまく言えない人もいます。
また、感謝の習慣がなかったり、単に礼儀知らずだったりというケースも考えられます。
世の中には「ありがとうございます」を素直に言わない人が少なからずいます。
「感謝したら負け」という考え方を持っている人もいます。
感謝するのが苦手な人であれば、感謝の言葉がないのも仕方ありません。
あまり深く考えず「そういう人なんだね」「こういうこともあるよね」と思えばいいでしょう。
親切をしたとき、軽く会釈や笑みの表情があるなど、嫌がる様子がないなら、少なくとも迷惑には感じていないと判断できます。
迷惑がっている様子がないなら、今度も親切は続けるのがいいでしょう。
感謝の言葉がないとき、腹を立てるのは良くありません。
親切は、見返りを求めず、相手のためにするものです。
親切をするときに大切なのは、純粋に相手を思いやる気持ちです。
純粋に相手を思いやる気持ちがあれば、感謝の言葉があろうとなかろうと、嫌な気持ちにはなりません。
感謝の言葉がなければ、自分で自分を認める声をかけるでしょう。
「良いことをした」と思えばいいのです。
人から感謝されなくても、心を充足させることができます。
親切は良いことであるのは間違いありません。
感謝のことがないなら、自分で自分を認め、今後も引き続き親切を続けていきましょう。
いずれにせよ、態度や表情から、その理由を読み解くことが大切です。
感謝の言葉がないとき、その理由を考えてみる機会にするといいでしょう。
非言語コミュニケーションを磨くトレーニングにもなるのです。