「明らかに困っている」「明らかに助けを求めている」というケースであれば迷いません。
すぐ手を差し伸べればいいことです。
「ありがとうございます」と感謝されます。
相手が求めていることを理解し、すばやく行動できれば、間違いなく喜んでもらえます。
難しいのは、困っているかどうかわからないケースです。
親切で大切なのは「自分がしたいこと」ではなく「相手がしてほしいこと」であり、相手の立場になって考えることが欠かせません。
相手がしてほしいことを考えても、本当にそれが正しいか、自信が持てないときがあります。
いくら親切とはいえ、ありがた迷惑になることだけは避けたいところです。
そんなときに役立つのは「よかったら」というクッション言葉です。
バスや電車で妊婦や高齢者に席を譲りたいときは「よかったら、どうぞ」を声をかけます。
たくさんの荷物を大変そうに運ぶ人がいれば「よかったら、お手伝いしましょうか」と声をかけます。
道を聞かれたとき、行き先が同じ方向なら「よかったら○○までご案内しますよ」と声をかけます。
団体客がお店に来たとき、自分の両側が開いているなら「よかったら席を移動しましょうか」と声をかけます。
親切を強要するのではなく、あくまで選択の余地を与える言い方のほうがやさしく聞こえます。
「よかったら」というセリフには「都合が悪いなら、どうぞ気兼ねなく断ってください」という意味があります。
親切が不要なら断ります。
OKなら受け入れてくれます。
相手に選択の余地があるので、親切を押し付ける心配がありません。
親切な人になるために、ぜひ口癖にしておきたいクッション言葉なのです。