簡単そうにこなしている人を軽視しないことです。
簡単そうにこなしている人がいると「なんだか自分にもできそう」と思ってしまいますが、たいていは錯覚です。
簡単そうに見えるからといって簡単とは限りません。
むしろ簡単そうにこなしている人ほど難しいことをこなしているものです。
簡単そうに見えるのは、膨大な練習や経験を積み重ねてきた結果です。
膨大な練習や経験を積み重ねると、体の動きがなめらかになるので、端から見ると簡単そうに見えます。
プロゴルファーは、簡単そうにボールを打ちます。
クラブを振り上げてスイングすると、ボールが軽快な音とともに遠くまで飛んでいき、見えなくなります。
簡単そうに見えるかもしれませんが、誤解です。
実際に自分がやってみると、まったく簡単ではありません。
クラブのヘッドは意外と小さい。
ボールが飛ぶどころか、クラブをボールに当てるだけでも難しいことがわかります。
オリンピックの体操選手は、簡単そうに演技をします。
鉄棒をくるくる回ったり、床の上でバク転・バク宙を披露したりします。
簡単そうに見えますが、実際はすごいことであり、誰でもできることではありません。
いざ自分が同じことをしようとすると、手も足も出なくて、1つの演技すら真似できません。
簡単そうに見えるのは、それだけ膨大な練習を積み重ねてきた結果です。
手品師は、簡単そうに手品をこなします。
自由自在にトランプを操ったり、帽子の中からさっとハトを取り出したりします。
一見すると簡単そうに見えますが、大きな誤解です。
膨大な練習を積み重ねてきた結果です。
器用さと繊細な感覚が求められ、誰でもできることではありません。
これはビジネスの世界でも同じです。
職場の上司や先輩が、すらすらプレゼンを発表したり、さっと商談をまとめたりする様子を見ることがあるでしょう。
簡単そうにこなしているからといって、簡単とは限りません。
膨大な場数を踏みました。
そこに至るまでに多くの経験を積み上げました。
結果として簡単そうに見えるだけです。
すらすら簡単そうにこなしているからといって「あれくらい私にもできる」と安易に考えないことです。
実際に自分がやってみると、大変なことになります。
思うようにできなくて苦労と失敗の連続となるでしょう。
むしろ尊敬するのが正しいのです。
簡単そうに見えることほど、実際はレベルの高い技です。
「計り知れないほど膨大な練習を積み重ねてきたのだな」と尊敬の念を持つことです。
人を見る目が変わり、世の中を見る目が変わります。