私たちが褒めるとき「見えるところ」にフォーカスを当てるのが一般的です。
たとえば、体型・髪型・持ち物です。
「スリムですね」
「髪型がすてきですね」
「おしゃれなバッグですね」
外見は、はっきり見えるのでわかりやすい。
わかりやすいから褒めやすいものです。
一方、見えないところは気づきにくいため、褒めたくても難しい現実があります。
もちろん相手の外見を褒めるのもいいですが、それは普通です。
見えないところを褒めてこそ、相手を感動させ、本当に喜ばせることができるでしょう。
では、見えないところはどうやって褒めていけばいいのか。
相手の外見を「手がかり」にするのです。
見えるところを手がかりにして、相手の「見えない努力」を察して、褒めていきます。
相手の見えない努力は見えませんが、褒める方法はあります。
相手の外見を手がかりにすれば、ある程度は察しがつくはずです。
「こうではないだろうか」と想像できることがあるでしょう。
外見をそのまま褒められることはあっても、見えない努力を褒めてくれる人は少ない。
ほとんどいないと言っても過言ではありません。
だからあなたが褒めるのです。
上手に褒めるコツは、人が気づきにくいところに着目する、まさにこれです。
スリムな人がいるといます。
スリムな人は、食事に気を遣っている証拠です。
もちろん体質や運動習慣もあるかもしれませんが、一般的には食事に気遣った成果と考えていいでしょう。
いつも食事の量や内容を気にしているから、結果としてスリムなスタイルを実現できています。
そこで、あなたが褒めます。
「スリムですよね。食事に注意されているんですね。健康意識が高いんですね」
そんな褒め方をすれば、相手は目を輝かせて笑顔になるでしょう。
スタイルを褒める人はいても、食生活まで褒める人は少ない。
相手は心の中で「そんなふうに褒められたのは初めて」と喜んでくれるに違いありません。
相手のスタイルが、筋肉質でたくましい体型だとします。
普段、筋トレを頑張っていると想像できるでしょう。
「筋肉がすごいですね! 筋トレを頑張っているんですね」という褒め方ができるでしょう。
必死に筋トレを頑張っていることを認められた気がして喜んでくれるでしょう。
筋トレを頑張ったかいがあったと喜ぶに違いありません。
相手がおしゃれなバッグを持っていたとします。
普段から熱心にファッション誌を読んで、美的センスを磨いていることが考えられます。
「いいバッグですね。すてきなセンス。おしゃれですね」と褒めるといいでしょう。
バッグを褒めるだけでなく、それを選んだ美的センスまで褒めてもらえると嬉しいものです。
「こういうものを選ばれるなんて素晴らしいセンスですね」と言われた気がして、相手は「認められた」と感じるでしょう。
もちろん時には察しが外れることもありますが、落ち込む必要はありません。
少なくとも褒めているので悪印象になることはないでしょう。
失敗を恐れないでください。
仮に察しが外れたとしても「失礼しました」と言えばいいことです。
普通に外見を褒めるのもいいですが、できれば観察力を磨いて、褒め方のレベルアップを目指すといいでしょう。
見えるところを手がかりにして、見えない努力を褒めるのが大人の褒め方です。