ある日の電車でのことです。
隣り合わせた女性2人のこんな会話を耳にしました。
「相談があるんだけど。内緒だよ。実は○○さん、わきがだと思うの」
どうやら、友人の1人がわきがのようで、悩んでいるようでした。
「言えない。言ったら絶対に傷つくと思うの」
女性は、わきがであることを相手に言えず、どうすればいいのか悩んでいる様子でした。
においは嫌だけど、注意したくても注意しづらいという難しい状況です。
その気持ちはわかります。
しかし、私は、そのわきがの友人が、彼女にとって本当の友人ではないことがわかりました。
「言ったら絶対に傷つくと思う」という発言は、相手のことを考えている、優しい言葉のように思えます。
しかし、本当に相手のことを心から考えていれば、必ず言いにくい一言を言えることができるようになるはずです。
わきがだと知らないまま日常生活を送っていれば、ほかの人たちへも迷惑がかかります。
早めに教えてあげることができるのが、本当の友人です。
本当の愛であり、本当の優しさです。
「言ったら絶対に傷つくと思うの」という発言は、どこかでまだ「人ごと」という意識があるのです。
「一応友人だけど、他人だから、自分には関係ない」と思い、会話のネタにします。
こういうのが、一番よくありません。
優しいどころか、陰でこそこそ悪口を言っている人と変わりありません。
優しいふりをしているだけです。
もし、私がわきがなら、一刻も早く知らせてほしいと思います。
わきがという事実が恥ずかしいことでも、知らないまま生活をするほうが、もっと恥ずかしいものです。
わきがだと知らなければ、いつまで経っても解決もしません。
それでいて、いつの間にか、周りの人に迷惑をかけてしまいます。
自分がわきがだと早く知れば、何か対策を講じることができるでしょう。
デオドラントを使ったり、朝にシャワーを浴びたり、何かできるはずです。
それは、まず知らないとできません。
相手の将来を考え、本当に気を利かせたければ、言いにくい一言こそ、早めに伝えてあげることです。
それができる人こそ、本当の友人です。
たしかに相手は、一瞬傷つくかもしれません。
しかし、早めに伝えてくれたあなたのことを、感謝してくれるようになります。