私が花粉症で、くしゃみを何度もしていたときのことです。
仕事で確認しなければいけない資料が机の上にあるので、下を向きます。
下を向くと鼻水がだらだら出そうになるので、すぐ少し上を向きます。
上を向くと、机の上にある資料が見えなくなります。
鼻水が引けば下を向いて仕事を始めますが、そのうち鼻水がたれてきます。
鼻水がたれてくるので上を向いたり、資料を見るために下を向いたり、頭を上下に動かします。
上を向けば仕事ができない。
下を向けば、鼻水が出る。
困り果てた状況です。
そのうえ、他人から見れば、かなり危ない動きです。
そこで「上を向きながら下を見る」という方法に切り替えました。
鼻水をたれずに、資料を見ることができます。
しかし、これをする欠点は、相当危ない顔になってしまうことです。
そんな危ない動きや、危ない表情をしている私を見るに見かねて、隣に座っている人が、そっとティッシュを差し出してくれました。
私がつらそうにくしゃみをして、上を向いたり、下を向いたりしている様子を見て、気を使ってくれたのです。
もちろん私は大助かりでした。
そっとティッシュを差し出したその姿が、上品に見えました。
こういうアプローチは、スマートでかっこいいものです。
最初から自分でティッシュを使っていればよかったのですが、苦しんでいるときは、視野が狭くなります。
ティッシュを使うという当たり前のことも、忘れてしまうのです。
そういうときに気を利かせてくれる人がいると、助かります。
あなたの周りに、花粉症でくしゃみをしている人はいませんか。
そんなとき、あなたが持っているティッシュを、そっと差し出してあげましょう。
ティッシュを差し出してくれて、喜ばない人はいません。
ささいなことですが、これだけで喜ばれるのです。